08/02/02

●4日からはじまる友人の展覧会の搬入と作品の設置の手伝いに行った。ぼくはこの友人の展覧会の案内状(DM)に短い推薦文みたいなのを書いていて(あくまでも画廊の企画で、ぼくがキュレーションしたわけではない、そんな「力」はないし、あったら自分の展覧会をやる)、この画家のことはもう二十年以上前から知っていて作品を観つづけているし、事前に、展示する作品の写真は見せてもらっていたから、まあ間違いはないと思っていたけど、それでも、推薦文を書いた責任上、作品の実物が展示されているところを展覧会がはじまる前に観て、自分が書いたことがウソではないことを確認しておかなくては、という気持ちもあった。で、それがウソになってしまうことはなかったということを確認できて、安心して帰ってきた。
●YOKO KATO展「藪漕ぎ」は、2月4日(月)から14日(木)まで、銀座のギャラリー福山(TEL.03-3564-6363)で開催されます。日曜は休み。展示されているのは、キャンバスに油絵の具で描かれた絵画12点。それと、リンク先では開館時間が11時半から19時になっていますが、正しくは12時からです。(というかこれ、さらに電話番号も違ってるし...。)
●DMに載った推薦文は、以下の通り。
加藤陽子は見えないものを捉えようとして描く。見えないものを見えるようにするのではなく、見えないものとしてそれを捉える。だがそれは、捉え難いからといって曖昧なものでは決してなく、この世界に存在する確固とした何かだ。だからその作品を観る時も、目で見るだけではたりない。画家が、知覚の全て、身体の全て、記憶の全て、感情の全てを用いて、時にはそれを超えたあり得ない何かをさえ用いて捉えようとする何ものかに、その絵を観る者もまた、それらの全てを用いて反応し感応することが求められていると感じる。画家がそれを求めるのではなく、絵画そのものがそれを求めている。しかしそれは、肩肘を張って、眉根を寄せて皺をつくり、深刻そうに凝視することでではなく、肩の力を抜きリラックスして、心を開いて絵の前に立つことでこそ可能になると思う。》