●『ルパンVS複製人間』をDVDで観た(昔、何度か観てる、マモーのキャラといくつかの場面は憶えていた)。78年の作品。楳図かずお化したルパン。けっこう面白い。これは大和屋竺の脚本なのか。峰不二子の乗っているピンクのでかいバイクとオレンジの車がかっこいい。マモーがレーザーで焼かれる場面は『電脳コイル』のイリーガルの表現に似ている。巨大な脳になって宇宙に浮かぶマモーはエチゼンクラゲみたいだった。
●『パンツの穴/キラキラ星みつけた』(鎮西尚一)をビデオで。90年の作品。二十年前からずっと観たかった映画をやっと観た。正直言えば、出来れば二十年前に観たかったという気持ちにもなるのだが。明快な一本の(あるいは何本かの)ラインがあるのではなく、登場人物たちの行動にともなって空間がどんどん拡散してゆき、それに従って時間もどんどん分岐してゆき、そしてそれらの細部たちが緊密に関係し合ったり組織化されたりすることなく、ゆるいつながりのままで並置(放置)されている、というような作品をぼくは今でも大好きなのだが、それは、八十年代から九十年代はじめ頃にかけて、映画においてそのような系譜が確かにあり(それを最も徹底してやっているのが七十年代終わりから八十年代のゴダールだろう)、ぼくがそれを観て育ったということと深い関係があるのだなあと、観ながら思った。特に後半は、やっぱ自分はこういうのが好きなんだよなあ、と思いながら観た。気恥ずかしさも含め、実際には経験しなかった十代の記憶を観ているかのようだった。
●喫茶店でずっと原稿を書く。冷たい雨。
●坂中さんの11日の日記がすばらしすぎる。(http://d.hatena.ne.jp/Ryo-ta/20100411)