●お知らせ。ジュンク堂大阪店とブックファースト京都店で、佐々木敦『文学拡張マニュアル』と前田塁『紙の本が亡びるとき ?』とぼくの『人はある日突然小説家になる』を中心とした文芸評論書のフェア、「読書の奥に潜むもの」を開催中だと、青土社の営業の方から連絡がありました。ぼくの本の推薦ポップを福永信さんと磯崎憲一郎さんが書いて下さっているそうです。ぼくは(ヒマはあっても交通費を出すのは厳しいので)現場まで行ってどんな感じか見ることは出来ないのですが、お近くの方はのぞいてみて下さい。
あと、これはまだきちんと確定してないのですが、21日にシネマヴェーラ渋谷で、ポン・ジュノ『母なる証明』について、「ユリイカ」の編集長の山本充さんとトークすることになりそうです。「映画館大賞2010」という、映画館のスタッフが投票で選んだ映画を特集上映するという企画で(『母なる証明』は七位)、映画の上映前に三十分くらい話すということみたいです。山本さんとぼくが出て行っても、「こいつら誰 ?」っていう空気なんじゃないかと思いますが。上映前なので基本的にネタバレ出来ない、というのも厳しい感じです。
この日記にも書いたし、「ユリイカ」のポン・ジュノ特集の原稿にも書いたのですが、『母なる証明』は繰り返し観ることでより面白くなる映画だと思うので(逆に言えば、一度観ただけでは「重さ」ばかりが残ってしまいがち)、既に観ている人も、この機会にスクリーンでもう一度観てみるといろいろ発見もあると思います。ただトークは、まだきちんと決まった話ではないので、詳細等については映画館大賞のウェブサイトで確認してください(http://www.eigakanshugi.com/eigakantaisho/)。この件についての情報はまだ掲載されていません。
●フェアと言えば、一昨日MOTからの帰りに新宿の紀伊国屋書店の「ワールド文学カップ」(http://bookweb.kinokuniya.jp/bookfair/worldliteraturecup05.html)をちょっとのぞいたら、すごい人で賑わっていて驚いた。置いてあるすべての本にポップがついてるのもすごい。
●昼は原稿、夕方一時間寝て、夜はゲラの直し。両方とも明日が締め切り。ようやく『ピストルズ』を手に入れたのだが、目の前に締め切りが迫っているし、15日は朝から友人の引っ越しの手伝いをする約束がある(画家の引っ越しは作品の移動が大変)ので、ジュンク堂の16日の阿部和重×佐々木敦のトークまでに読み終わるのはどう考えても不可能な感じ。
●あたためるって大事だな、と思った。例えば野菜ジュースとかって、冷たいとごくごく飲んで終わりだけど、あたためて、塩こしょうとオリーブオイル(そればったりだが、それしかないのだから仕方ない)をちょっと加え、捨てるところみたいなネギの端っこを刻んで散らせるだけで(そしてそれをスプーンを使って飲むという行為を付け足すだけで)、「ああ、食事した」的な満足を得られるものになる。ということは、形(スプーンを使うという動作)も大事ってことか。