●昼間、少しうたた寝した。強めの風が入って揺れるカーテンが網戸に当たる音が眠りの直前まで聴こえた。たぶん、十分も眠っていない。短い夢を見た。八王子の駅前、くまざわ書店の先、東急スクエアの手前にある交差点に立って信号待ちしていた。ただそれだけの夢なのだが、その場所に対する郷愁のような感情がすごい勢いで胸の内からひろがってきた。確かに、21歳から45歳まで、八王子に住んでいる間、その交差点に何度立ったかわからない。それは決して短い時間とはいえない。21歳の頃にはまだ東急スクエアはなかったし、今ドラッグストアになっているくまざわ書店の隣も、当時は本と文房具を売っている店だった。しかしそこは常に通り過ぎるだけ場所であり、特に思い入れもないし意識したこともない。なのに、21歳から45歳までの時間がすべてそこに凝縮されていて、それを置き去りにして今、ここにいるとでもいうような感情が沸き上がってきた。なぜ「そこ」なのか。自分から出てきたその強い感情の意味がわからず、目が覚めて少しの間ぽかんとしていた。
●今日の空。








●今日の机の上。