●『バクマン。』(大根仁)をDVDで観た。『モテキ』にしても『恋の渦』にしても、なんだかんだ言って大根仁はすごいところがあると思っているのだけど、『バクマン。』ではその感じは感じられず、割と普通だった。細部まできちんと丁寧につくられた企画物という感じ。
モテキ』でも『恋の渦』でも、登場人物たちが住む世界を細かく、徹底してリサーチすることで作品世界をつくっている感じで、その感じは『バクマン。』にも出ていると思うのだけど、基本的な展開が「ジャンプ」的なので、そこはどうしたって乗れないなあ、と。
染谷将太新井浩文山田孝之といった俳優たちの使い方とかはとても素晴らしいと思った。佐藤健はいい顔だなあ、とか。あと、「ジャンプ」編集長役のリリー・フランキーが、蓮實重彥に見えて仕方なかった。何度見ても、桐谷健太高知東急と間違えてしまう(年齢的に、高知東急が若い漫画家の役とか有り得ないのだけど)。
ベケット『事の次第』が復刊されるのか、と思ったら、値段が五千円を超えている。仕方がないのだろうけど、これでは買える人が限られるなあ、と。ぼくの持っている『事の次第』は、カバーもついてない裸の状態だけど、昔、八王子の古本屋で500円くらいで買ったという記憶がある(確かめてみたら千円だった)。