●昨日、ニコ生でやっていた「全脳アーキテクチャ勉強会」の中継を観ていて、酒井邦嘉の「脳科学から見た言語の計算原理」という発表がとても面白かった。チョムスキーの普遍文法を援用した、脳による文法計算の研究で、例えば、外からの(fMRIなどの?)計測によって、被験者がある文から「どのような意味を受け取ったか」までは分からないにしても、その文を、「どのような形式」「どのような階層構造」として受け取ったかということまでは分かる、というようなものだった(脳が「文法」を計算する部位は特定されている、と)。とはいえ、ノートをとりながら真剣に視聴していたというのではなく、ぼんやり観ていた感じだったので、理解もいい加減だし、細部を明確に憶えてもいない。
(途中から、あー、もっとちゃんと観ておけばよかった、と思った。)
なので、酒井邦嘉がこの研究について書いた一般向けの本はないのだろうかと探したのだけど、最近出された本は、芸術家にインタビューする本と、大学生に対して「考える」ことを問うという「白熱教室」系みたいな本で、自身の研究についてがっつり書かれている感じではなさそうだった。『言語の脳科学』という割合まとまった感じの本が中公新書から出ているけど、これは2002年に出た本だから、最近の研究の成果は出てないだろうし。
とりあえず『言語の脳科学』と、2009年に出た『脳の言語地図』という本を注文してみた。あと、岩波文庫から出ているチョムスキーの『統辞構造論』も。
●第九回全脳アーキテクチャ勉強会「実世界に着地する言語と記号」
http://live.nicovideo.jp/watch/lv209012456
●全能アーキテクチャ勉強会
http://www.sig-agi.org/wba