●大隈講堂の近く(というか、大隅庭園内なのか)のリーガロイヤルホテルで坪内逍遥大賞の授賞式があった。
奨励賞を受けた福永信さんの受賞スピーチに、分かる人だけ分かるようにひっそりと込められたメッセージがあったということが、まったく別の経路で知った情報によって後でわかった。というか、それは福永さんの一貫した他者や世界に対する態度のあらわれということで、特に秘められたメッセージということではないかもしれない。
福永さん、おめでとうございます。
大賞の伊藤比呂美さんの本はほとんど読んだことがないけど(高校生の頃、『青梅』と『テリトリー論』という詩集は読んだ、読んだだけでよく分からなかったが)、伊藤さんの名前を聞いてまず思い出すのが『比呂美-毛を抜く話』(鈴木志郎康)という古い映画で、映画をウェブで改めて観てみて思うのは、(81年に撮られた映画だけど)人の声や喋り方というのは変わらないものなのだなあということだった(授賞式のスピーチなどと比べて)。
下のリンクは『比呂美-毛を抜く話』。八十年代前半くらい(中学から高校)の時期は「現代詩手帖」とか読んでいたので、この映画の存在はずっと前から知ってはいたけど、実際にはじめて観たのはウェブで観られるようになってからだから、つい五、六年前くらいだったと思う。
https://vimeo.com/2502167