●昨日は、ユーロスペースのレイトショーの前に、東京都写真美術館で恵比寿映像祭「インビジブル」を観ていたのだけど、二時間くらいしか時間がなくて、ほんとにごく一部の作品だけ観て他は素通りみたいな感じになってしまった。
最初にラファエル・ローゼンダールがあって、次のポール・シャリッツがあって、このへんは普通に観ていたのだけど、その次のガブリエル・エレーラ・トレスがとても面白くて、二度観てしまった。20分の映像作品を二度見るというのは、それだけで40分かかり、しかもエンドレスでループしているから、きっかりはじめから観られるわけではなく、重複した部分を含めるとそこだけに50分ちかく時間をとられた。そして、次の永田康祐の作品で、そのシステムがよく分からなくて、いろいろいじっているうちに時間が経って、そこまでで、気付いたら閉館まで残り3、40分で、これはヤバいと思い、とりあえず青柳菜摘の作品は観ておこうと思って、「孵化日記」の映像部分(1話、2話)だけ観ていたら(インスタレーション的な部分はちゃんと観てる時間ばなかった)、閉館まで残り10分とかになって、あとはもう、観るというよりただ通り過ぎる感じだった。もう一度観に行きたいと思ったけど25日までなのでもう無理か。
●ガブリエル・エレーラ・トレス「適切な運動による神への近寄り方」は、美術館で投影される映像作品というより、普通に短編映画としてとても面白かった。こういう、形式的でトリッキーな作品というか、内と外がひっくり返り、内容が形式へと何重にも折り込まれ、また、形式が内容へと何重にも折り出されているような作品を、ぼくはどうしても好んでしまう傾向がある。ショットや場面の配置が、時間的-継起的というより、超時間的-むしろ空間的なところも、面白いと思った。ぼくは、ガブリエル・エレーラ・トレスという作家をまったく知らなかったのだけど、こういうような映像作品ばかりをつくっているような人なら、もっと他の作品も観て観たいと思った。
というか、ぼくもこういう作品をつくりたいんだな、とも思った。
●Gabriel Herrera Torres on Vimeo
https://vimeo.com/user13245217
●BERLINALE TALENTS (GABRIEL HERRERA TORRES)
https://www.berlinale-talents.de/bt/talent/gabriel-herreratorres2/profile