2019-06-27

●うーん。ここのところ、興味をもって読みはじめたが、イマイチな感じなのでなんとなく途中で放棄するという本が何冊かつづいた。

(途中でなんとなく飽きてしまうのは、向こう側------の問題であると同時に、こちら側---自分---の問題でもあり、その間にあるものであろう。)

どの段階で、「この本はもうこれ以上読み進める必要はない」と判断するかというのは実は結構難しい。特に小説で、はじめて読む作家だったりする場合、「面白くない」という自分の判断に確信をもつまでに一定の時間が必要で、それは、ある時点までまったくピンとこないまま探り探り読んでいるのだが、あるところで、「あ、こういうことか」と気づいて、そこから面白くなるということがけっこうあるから。

(たとえば、歴史上の人物で、怪人物として知られる人が主人公で、その人の一人称的な語りによって物語が書かれている場合に、その語りに含まれる内省や思考が凡庸であまりにさらっとしていると、この人がこんなにつまらない人であるはずがないと感じて---物語の本筋がはじまるより前に---しらけてしまう。それなりに説得力のある「その人物らしい」内省を組み立てる必要があると思うし、怪人物の頭のなかをそのまま示すような文体にするとエンターテイメントとしてのリーダビリティ上問題があるというのならば、その人物の傍らに平凡な助手的な人物を配して、その人を語り手にするなどの工夫が必要なのではないか、などと---物語が動き出すより前に---思ってしまう。が、そこから先に、物語的に面白そうな仕掛けがもしかしたらあるかもしれないという期待も捨てきれない、というようなことがある。)

物語のある小説などの場合、なんか面白くないなあと感じていても、物語の流れにのってしまえばなんとなく惰性で最後まで読めてしまうのだけど、別に「審査員」であるわけでもなく、必ず最後までつき合わなければならない義務などないのだから、面白くないと判断したら途中でやめるということは---自分自身のために---重要なことであると思う。