2021-02-03

●火曜 The NIGHTでは、たこやきレインボーがゲストで、司会の矢口真里が「あれ、たこ虹ちゃんたちは四人組みだっけ」と問うと、メンバーは「一人は今、実家に帰ってます」と答えた。この緊急事態宣言の時期に「実家に帰ってる」とはどういうことだろうと軽く違和感を覚えたのだが(たこやきレインボーはメンバー全員で共同生活をしている)、それきり忘れてしまった。そして、夜が明けると下の記事が出ていた。

たこやきレインボー春名真依、不適切発言により活動自粛(音楽ナタリー)

https://natalie.mu/music/news/414845

どのような不適切なことを言ったのかは記事に書かれていないが、ネットで検索するとでてくる。考えすぎで、たんなる杞憂であればいいのだけど、この件についてちょっと気になってしまった。

ファンの多くは、たんに言葉の意味を間違って憶えてしまっただけ、たんなる勘違いだと言っているが、「部分」だけ切り取ってみれば間違いなく差別的な発言であリ、もし、完全な勘違いで、本人に差別の意図がまったくないのだとしても、そのような「勘違い」がどのような情報経路によって生じたのかが、気になってしまう。どうして、よりにもよって「その言葉」を勘違いしてしまうのか、と。

このメンバーは二十歳で、若いとは言え子供というわけではない。そして、たこやきレインボーは大阪で活動するグループだ。ならば、この言葉にかんして、そして、この言葉をめぐる環境のデリケートさにかんして、まったく無知であるとは考えにくい。ぼくが気にしすぎなのかもしれないが、それが何にしろ、人がちょっと変なことを言い始めるというのは危険信号なのだと思う。

最近、ツイッター高知東生が、もう少しで陰謀論に陥ってしまいそうだったところを、「高知さんの情報は偏っています」と仲間が指摘してくれたことで目が覚めた、危なかった、といった発言していた。YouTubeで関連動画を次々と観ていったら、知らぬ間に「そっち」へ誘導されていた、と。また、おばあちゃんにスマホをプレゼントしたら、しばらくして「あの芸能人は朝鮮人だ」みたいなことを言い始めて、そんなことを言う人ではなかったのにと、スマホを調べさせてもらったら、YouTubeの「そっち系」の動画ばかりが履歴にあった、というような話も聞く(YouTubeの「おすすめ」や「関連動画」の罪はとても重い)。人の頭をいかれさせてしまうような情報に触れてしまう機会は増えているように思う。

だからこそ、たこ虹のメンバーが、たとえ「勘違い」であっても、そんなことを言ってしまうに至った情報摂取の経路(あるいは情報環境)が気になってしまう。所属事務所が《本人および家族と協議のうえ》で活動自粛としたというのは、懲罰というよりは保護であり、ケアであるのではないかとか思ってしまうのだった。