●『こちらあみ子』を観ていて、最近の小学生のランドセルはこんなに多彩なのかと思った。色もデザインも色々あってカッコよく、男の子だから青系統、女の子だから赤やピンクということもなく、みんながそれぞれ好きなものを選んでいるという感じだった。しかし、とはいえ、みんながてんでバラバラに、自分の持ちたいカバンやバッグを自由に使うということにはなっていなくて、「みんながランドセルを使う」という大枠は決まっていて、ランドセルという共通規格(形式)の中で、細かな差異やデザインの洗練が現れている。これを一概に良いとも悪いとも言えないが、この感じに、日本という「場」の特異さというのを改めて思った。
(映画の表現が、どの程度まで「現実」を反映しているのかは分からないが。)
(そして、小学生は結構多様なのに、中学生になると突然、色も形も統一された制服やカバンになると言うのも異様だ。)
ぼくは、ランドセルが子供っぽくて嫌だったので、小学五年生くらいから、キャンバス地の肩掛けカバンで登校していた。肩掛けカバン派は少数だがぼく以外にもいて、許される範囲内での逸脱だったと思う(中学も高校も、そのまま肩掛けカバン派で、いわゆる学生鞄のようなものは持ったことがない、堅い鞄が嫌いなのだと思う)。