2023/12/03

⚫︎夢。通りすがる人々が皆、何かしら声をかけてくる。しかしそれは、ぼくにではなく、ぼくの傍にいる小さい男の子に向けられた声だと気づく。その小さな男の子と手を繋いで歩いているのだ。家々の間から、両側が畑の狭い路地を抜けると、取り止めもなくだだっ広い土地になる。道は広く、ひたすら平らで、建物はまばらにしかなく、土が露出しているが、それは自然や畑ではなく、ブルドーザーで土地を引っ掻きまわし、建物を建てるために造成されたまま、それ以上何もせず長期に渡って放置されているというような、荒れた感じの剥き出しの土だった。ところどころ、造成されなかった森の名残りのような木々の塊があり、工場や倉庫、あるいは学校のような大きな建物が、ぽつん、ぽつんとある。それ以外の建物はほとんどない。男の子からは乳幼児のような匂いがして、小さな手は汗ばんでいる。この道は、かつてはよく通ったはずだが、久しぶりであり、目的地に着くのに、これで正しいのか不安を感じている。遠くには、防波堤のような、コンクリートでできた高い壁が長く続いていて、それを超えた向こう側は、ススキが生い茂る一帯があるはずだ。途中で、ブロッコリーを口に咥えた猫が、ぼくに向かってやたらとタックルしてくる。どうやら、そのブロッコリーをぼくの口に咥えさせたいらしくて、何度もジャンプしては、ぼくの腹や胸の辺りに当たってくるが、口元にまでは到達しない。壁を越えるための階段があるはずの場所に近づくと、あたりは都市めいてきて、人通りが多くなり、鉄道の通る高架をくぐり抜けると、剥き出しの土の間に大きな商業ビルがいくつか立っている。ああ、この感じだ、この道で間違っていなかったと思う。ようやく壁の袂に辿り着くと、男の子が、「多分、君のためになれると思うよ」と言って、垂直に、ふわっと浮かんで上へと上昇していき、ぼくはそれを見上げている。

⚫︎夢。アパートの部屋に帰ると、友人が二人、部屋の中にいる。まだ居たのか、あるいは、どうやって入ったのか、とぼくは二人に言う。とはいえ、それはどうでもいいことであり、疲れているので二人を放置したまま寝ることにする。目を覚ますと、二人はさらに大勢の友人たちを呼んで、宴会のようなものが行われている。しかしそれはぼくとは無関係のことなので、再び眠る。朝起きて、布団を片付けていると、宴会はようやくお開きになったようで、みんなは三々五々帰っていくようだ。その中の一人、若くて顔の美しい男性がツカツカとこちらの方にきて、何か罵倒の言葉を浴びせられ(具体的に何を言っているのか聞き取れないが罵倒ということは分かる)、いきなり白いスプレー塗料を吹きかけられる。ぼくは裏切られたような気持ちになり、しばらく呆然としているが、次第に怒りが込み上げて、部屋の外に出て、まだアパートの前にたむろしているその若い男に、強く攻撃的な言葉を発する。だがそれを口にした途端、その男と後戻りできない敵対関係になってしまったと思って後悔する。