⚫︎アパートの部屋を二つ同時に借りているという夢をときどき見る。どちらも木造の、古くて狭い部屋だ。主に一方に住んでいて、もう一方は放置気味というか、普段は忘れていて、ときどき、後ろめたい過去を思い出すようにその存在を思い出す。この、やや後ろめたいというニュアンスををどう表現すれば良いのか。そこはもう、半ば自分のものではないのだが、しかしまだ鍵を持っていて、新しい住人がいるわけではないまま、その部屋はある。家賃は支払っているはずで(だが、それも定かではない、占有権が半分くらい失効している感じ)、だから自分にはそこに行く権利はあるはずなのだが、なぜか、できるだけ近所の人や大家さんに見つからないように気を使って、こそっと訪れる。そこには荷物も家具もなく、ただ、郵便受けに自分に充てた、しかしどうでもいいDMが溜まっている(他人の郵便受けを勝手に見てしまうかのような後ろめたさで、郵便受けをチェックする。)。そのような部屋が、そのように存在していて、そこに行くことができるというることが、自分にとってはけっこう重要なことだ、みたいな感じ。