●お知らせ。勁草書房のウェブサイト、けいそうビブリオフィルに「虚構世界はなぜ必要か? SFアニメ「超」考察」の連載六回目、「仮装現実とフィクション 『ソードアート・オンライン』『電脳コイル』『ロボティクス・ノーツ』(1)」がアップされています。
http://keisobiblio.com/author/furuyatoshihiro/
この日記にも以前書きましたが、フィクションのなかに現れるVRと(フィクション内の)現実との関係には三つの形式が考えられ、それが(1)虚構没入型、(2)虚実一体型、(3)多重フレーム型です。アニメでいうと、それぞれ(1)『ソードアート・オンライン』(2)『電脳コイル』(3)『ロボティクス・ノーツ』が当てはまります。虚構没入型では、虚と実とがはっきりと分けられていて、その上で虚実の意味(価値)が反転します。虚実一体型では、この現実の上に、虚構の次元が、虚実の区別が意識されない形で重ね描きされます。世界が、それによって魔法化します。多重フレーム型では、現実に対して虚構の次元が重ね描きされる時、虚実の区別がつかない形で重ねられるのではなく、現実に虚構を重ねるためのデバイス(メディア)の特性が意識されます。スマホの画面や振動を通じてのみ、ポケモンを見つけることができる、というのと同じです。
これらのことについて、それぞれの作品にあたることで、詳しく検討していきます。今回はその前編で、主に『ソードアート・オンライン』と『電脳コイル』について考えています。
●黄金町の視聴室2で、『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』プレ上映イベントの、サントラ完成記念フリーライブに行った。前半は、映画の主演、田中淳一郎(のっぽのグーニー)によるソロ・ライブ(+コルネリが飛び入り)で、後半が、映画の出演者、監督まで含めた七人で、サントラの曲をやるライブ。監督も歌った(監督が歌ったのは、サントラで鈴木卓爾が歌う曲)。
ライブでの田中淳一郎の動きや身のこなしや顔の表情が、映画に出てくる中西そのままだったので、あー、この人は中西そのものなのかと思った。
『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』は、まず冒頭の「音(曲)」が素晴らしくて、音ががつんと来て一気の映画の世界に入り込んでしまう感じ。その、冒頭の「音(曲)」もちゃんとサントラに入っていた。
●サントラの曲では、ぼくは「The Guest」が好きです。ライブでは瀬木さんがちょっと練習不足っぽかったけど、録音は素晴らしかった。
●『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』は、今月6日から19日まで、新宿K's cinemaでレイトショー公開されます。そして、ぼくは11日の上映後のトークに出ます。監督の黒川幸則さん、脚本の山形育弘さんと話します。
下にリンクする映画のサイトですが、黒川監督によるプロダクション・ノートが面白いです。
http://www.villageon.ooo/
●下のリンクは、この映画をはじめて観た時の感想。
http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20160216