●お知らせ。noteに、「歴史のなかの小さな場所/ジョナス・メカス『どこにもないところからの手紙』」をアップしました。ジョナス・メカスが故郷アルメニアの新聞に連載したエッセイをまとめた本の書評で、書いたのは2005年(「新潮」2006年1月号に掲載)。ずいぶん前ですが、自分で書いた書評のなかでは気に入っている方です。
https://note.mu/furuyatoshihiro/n/n14a9f8e59fa0
●本の校閲をしていて、ぼくははじめて本を一冊通して書いたのだという気持ちになる。たとえて言えば、短編集ではなく、一冊で一つの作品である長編小説がはじめて書けた、という感じ。書いている時は(連載の前半はある程度の構想はあったのだが、特に後半は)、わりと場当たり的に、そのとき、そのときで、面白いと思ったアニメを取り上げて、それについて(その作品に向かって)書いていたのだけど、結果として、ずっと通してある一つの思考が持続的に展開されている感じの本になっている。
それは、「アニメ」というものが、持続的にぼくの関心の対象でありつづけてくれたから可能になったと言える。ただ、最近はあまりアニメを観なくなってしまっているのだが(『シュタインズゲート ゼロ』も---惰性で最後まで観はしたけど---面白くなかったし)。
しかしそれだけに、こんなに延々つづくめんどうな理屈につき合ってくれる人がいるのだろうかという気持ちにもなる。