●『アンナチュラル』の第一話をU-NEXTで観た(「けもなれ」の野木亜紀子脚本のドラマを追ってみるため)。これはなかなかすごかった。
ぼくはこういうドラマを自分から好んで(進んで)観ることはないので、これを観たからといって『獣になれない私たち』と同様に興奮するというわけではないのだが、しかし観てみれば「これは確かに大したものだ」と感心するしかないようなものだった。しかもこのドラマは今年の一月に放送されていたというのだから、今年の十月から放送されている『獣になれない私たち』と合わせれば、野木亜紀子は年に一本というよりも早いペースで、これだけの密度のオリジナル脚本を書いているということになる。
題材の拾い方、取材の綿密さ、物語の展開を構成する技術、細部の作り込み、どれをとっても半端じゃないという感じがする。しかも、物語を展開させる技術の型が、『アンナチュラル』と『獣になれない私たち』とではかなり違っているようにみえる。
(とはいえ、『アンナチュラル』みたいな方向の「完成度の高いドラマ」---おそらく海外ドラマなどを探せば他にもあるのだろう---に対して基本的にそんなには興味がもてないので、『獣になれない私たち』はやはり特別な作品のだろう。)