●たまたまYouTubeでみつけた「巨匠」というお笑いコンビのコントが破壊的に面白かった。いままでこんなに笑ったことはないのではないかというくらい笑わせられた。何度も繰り返して観ると、さすがに最初に観た時のようには笑えなくなってくるけど、それでも「基礎がヤバい」というところでは、どうしてもこらえきれなくなる。巨匠 - 小学校の先生。
https://www.youtube.com/watch?v=w5mE4Fn-B5U
(これは「基底的なもの」がひっくり返されることによる破壊的な笑いであるが、しかし、基底が崩壊するのは「われわれ」ではなく「彼」であり、われわれは他者の基底が崩壊するところを高所から観ている。このコントを観る「われわれ」は、高所から観ている視点の残酷さを自覚しつつ、自ら残酷なサディテストと化して笑い---観客は、教師と同一化してサディストと化すことを半ば強いられ---しかし同時に、他者を踏みにじっているサディストである自分自身もまた、いつ「彼」の位置へと転落するか分からないという恐怖が裏側に強力に貼り付いており、その恐怖によってこそ「笑うこと」を---サディストであることを---強要されているかのようだ。)
冷静に考えてみれば、笑っている場合ではないというような、ブラックな、かなり怖いネタなのだが、だからこそ一層、笑うことを避けることができないというか、笑うことを強いられる状態にもっていかれるという感じ。
●アベマTVの「火曜 The NIGHT」は毎週観ているので、岡野陽一という人の存在は知っていたし、この人が以前「巨匠」というコンビを組んでいて、だが今は既に解散していて一人でやっているということも知っていた(一人ネタの抜粋のようなことはたまに番組でもやっている)。「火曜 The NIGHT」はマイナーなアイドルを紹介するという番組で、お笑い好きのアイドルがゲストに来たときに、「わたし巨匠が好きだったんです」みたいなことを言っているのを何度か観たことがある。マニア受けするような、渋い感じのコンビだったのだろうと思っていた。だが、こんなにも面白かったとは…。
(「火曜 The NIGHT」で一度、アイドルの女の子と「巨匠」時代のネタを再現するという場面があったのだが、岡野陽一は過去の自分たちのネタをほとんど憶えていなかった。)
YouTubeでもう一つコントをみつけた。
https://www.youtube.com/watch?v=JwUyu2MuLrk
そして、Amazonビデオに、巨匠ベストコント集「よういち&かず」というソフトがあるのを見つけた。YouTubeで最初に出会った「小学校の先生」以上にインパクトのあるコントはなかったが、それでも全体としてとても面白い。これも繰り返し観てしまう。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00Y3NPSNO/ref=dvm_jp_pl_cs_hqp_001_dp_0
一人でやっているネタもかなり面白いが、やはり二人の方がより面白いように思う(ジブリっぽい相方が---コント55号の二郎さん的な意味で---とても効いていたと思う)。R 1グランプリ2019 岡野陽一 Cブロック。
https://www.youtube.com/watch?v=GCljQ69IXEE