⚫︎面白い動画を見つけた。この人の頭の中の空間把握はどうなっているのだろうか。
・Vaghissima sembianza弾き語り。
https://www.youtube.com/watch?v=d5_eeCJGXNs
・「レット・イット・ビー」寝ながらピアノ
https://www.youtube.com/watch?v=HJGI6VxgiFM
そもそも、左右の手を交錯させて指を動かしてみるというだけで、空間感覚はかなり混乱する。その状態でピアノを弾くというのはどういう感じなのか。さらにここで演者は、鍵盤を見下ろす位置から、見上げる位置に移動している。こうすると、演者に対する鍵盤の配置は左右反転する。つまり、右手と左手の交差と、鍵盤配置の左右反転という、二重の空間の捩れの中で演奏がなされている。
(追記。小鷹研理さんの知見を引けば、人は、横たわった状態では上下―-仰向け姿勢とうつ伏せ姿勢との-―反転が起きやすいという。ここで演者が横になっていることは、そのことと関係するのかもしれない。)
また別の動画では、右手と左手とが逆を向いている。右手を動かしている空間と、左手を動かしている空間とが、演者に対して180度回転している。これってまさに、二つの鏡像的パラレルワールドにまたがって、その真ん中で演奏しているという感覚なのではないか。こちらの世界と鏡の世界とにまたがって手を動かし、二つの世界を合わせて一つの曲を演奏している。
・英雄ポロネーズ Op.53 (ショパン) Chopin Polonaise No.6 Op.53
https://www.youtube.com/watch?v=ihyOyHmIia4
・2台のピアノでブルグミュラー「タランテラ」を弾いてみた。
https://www.youtube.com/watch?v=eYoO0oAZ2b4
そもそも、ピアノを弾く人は(ギターとかでもそうだろうが)、右手と左手とをバラバラに動かせる。たんに違う動きだけでなく、違うリズムで動かせる。二つの異なる空間の中で同時に動いているようなものだ。そういう訓練の延長として、ねじられた多重空間のモンタージュが可能になるのだろうか。
(追記。ピアノを弾く人に、この動画の感想を聞いてみたい。どのくらい変なことなのか。それとも、そこまで変なことでもないのか。)
このような、空間の捩れと、捩れた空間のモンタージュこそが、ぼくの生涯のテーマのような気がする。これを演奏している人の頭のなかを直接体験したいという気持ちになる。
⚫︎昨日の続き。Horsegirlのライブ動画。
・HORSEGIRL - NEW NOW