駅の階段のとこに付いている窓。長方形で、高さが少しづつズレて並んでいる窓。そこから曇った空の白い光が入ってきて、ぼうっと光っている。階段をのばりながらそれを見上げている。目の前には足があり、尻がある。のぼりきったところの正面には、でっかい予備校のポスターが貼ってある。その右側にも、今度は大きな窓が開いていて、そこからは駅前の駐輪場の屋上が見下ろせる。びっしりと並んだ自転車の隙間で、作業服を着たおっちゃんたちが働いている。駅前を見下ろすちょっとした高さ。ガラス張りのパチンコ屋、マクドナルドの大きなM、世界カット・パーマ・チャンピョンの店、ドラッグストア。歩いている人々を上から見る。顔を上げ、視線を水平に戻すと、目に入ってくるのは、曇った空。