薄くもり、から、濡れるか濡れないか、という程度の雨へ。ぽつりぽつり。遠雷。荒れる風。
コミック・モーニングで連載していた『ガキおやじ』が終わってしまった。この手の漫画は、だらだらと長くつづくことにこそ、意味があるように思うのだが。誰もがその存在を忘れ、気にもとめなくなったとしても、雑誌の片隅、一番目立たないページにひっそりと、しかし、執拗に存在しつづけている、というように。大した人気も出ないままに、あいかわらずのワンパターンの下ネタを展開しつづけてくれると期待してした読者としては、かなりガッカリしてしまった。ぼく自身も、その存在をすっかり忘れていて、何かの拍子にふとその雑誌を手にしたとき、あっ、これまだやってるよ、とかいうような、そんな漫画になってほしかった。登場人物の配置なんかをみても、いがらしみきおは、これをかなり長くつづける予定にしていたのだと思う。よほど人気が出なかったのか、それとも、いがらしみきおが、やる気を無くしてしまったのだろうか。それにしても単行本3冊分という長さは、中途半端過ぎ。(『ガキおやじ』を知らない人は、「よりぬき偽日記」の「Blow My Mind 」を参照してください。)
最近の、ぼくの『美術』に対する関心の薄さは、自分でも困ってしまうほど。ともすれば、美術なんて、セザンヌとマティス、あとせいぜいゴッホの一部の作品(+自分の作品)だけあれば、もう他に何もいらないじゃん、なんていう『セザンヌ=マティス原理主義』に陥ってしまいがちだったり。しかし、世界というのは本来多様なものであって、原理主義とか、純粋へと向かおうとする欲望とかは、基本的に絶対に間違っているのだった。
まあ、こんなことを書いているくらいだから、当然、作品は行き詰まり。