02/01/09

●DVD故障の件で、テレビとDVDの間にビデオを接続していると、コピーガードが作動してしまうのではないか、というメールを頂いた。それで、デレビに直に繋いで試してみたのたけど、それでも駄目だった。DVDを買った大型電気店に電話をしてみたら、すんなりと新しいものと取り替えてくれた。で、『フィラデルフィア物語』の後半を改めて観た。この映画のなかでキャサリン・ヘップバーンは、まわりの男たちから、あなたは気品があって美しく、完璧な女性だが、人の弱さを理解しない、だとか、女神のように近寄りがたい、だとか、銅像のように感情がない、などと言われているのだが、作家役のジャームス・スチュアートは、いやそんなことはない、あなたの身体のなかでは情熱の炎が燃えているんだ、とか言うのだけど、高円寺の駅の周辺を歩いていたら、口から唾を飛ばすほどの勢いで、大きな声と激しい身ぶり手ぶりで、猪突猛進のように早足で通りを抜けていきながら、頭のいい奴と悪い奴、成績のいい奴と悪い奴を平等に扱わなきゃいけないんだよ、と憑かれたように独り言をくり返しているアブナイお兄さんがいて、思わず「あなたの身体のなかでは情熱の炎が燃えているんだ」という言葉を思い出したのだった。
金井美恵子『噂の娘』、金井インタビューの載った「群像」を購入。電車のなかで「群像」のインタビューを読んでいたら、ルノアールと成瀬とエリセが観たくなって、『トニ』『驟雨』『エル・スール』をレンタルしてくる。しかしこういう「反応」の仕方っていうのは、子供の頃『オバケのQ太郎』を読んでいて小池さんが出てくると無性にラーメンが食べたくなる、というのとほとんどかわらないと言えばかわらない訳で、あまり上等なものとは言えない。でも、『オバQ』の場合は、なんとかラーメンにありつけたとしても、「これは小池さんのラーメンとは違う」という、何か騙されたような感じがするのに対して、ルノアールや成瀬やエリセはおそらくそういう感じはしないはずで、そこが違うと言えば決定的に違うはずなのだが。