02/03/07

●久しぶりに冷え込んだ夜。それでも、絵具のついた手を洗う、蛇口から出てくる水は、冬の痛いほどの冷たさとははっきりと違う。アトリエからの帰り道、小川沿いの道を水音を聞きながら坂を下ってゆく。中学のグランドから急速に下っている土手の木にびっしりと咲いている梅の花が、街灯もまばらな薄暗いなかで、ぼうっと白く浮かび上がっている。途中の家で飼われている犬が、金属の鍋を口にくわえて、それをガリガリと地面に擦り付けている。