●必要があって、中古のノートパソコンを買いに秋葉原まで行く。中古といっても、マッキントッシュのノートはそう安くはないし、メインに使っているデスクトップのパソコンとOSやソフトが共通していないと意味がないので、そんなに古い型の(安い)ものにするわけにはいかない。(必要な作業からすれば、もっと古い型ので充分なのだけど。)貧乏なぼくにとってはかなり痛い出費ではある。
それはともかく、買ってきたノートパソコンに慣れるために(今までノート型のものを使ったことがない)いろいろと弄っている一環で、DVDを再生してみた。ゴダールの『映画史』の2Aと2Bを観たのだが、これがすごく良かったのだった。自分の膝に載せたノートパソコンの小さな画面で、目からほんの3、40センチくらいの距離で、しかも液晶の不安定な、観る角度によって濃淡のバランスが変化してしまうような、決して鮮明とは言えない、内側からぼわっと滲み出てくるような画像として(音はヘッドホンから流れてくる状態で)観るのこそ、『映画史』にぴったりな観方ではないかと思ったのだった。この映画は、映画館のスクリーンにプロジェクターによって大きく投射されたものを(大勢で並んで)観るよりも、ノートパソコンの小さな画面で、(部屋の中でたった一人で)至近距離から観る方がずっと適している作品ではないだろうか。