●昨日のことだけど、代々木のギャラリー千空間(http://www.senkukan.com/index.html)で、堀由樹子展(「あたたかい土」)を観た。くたくたに疲労していてまともに絵を観られるような状態ではなかったのだが、用事で新宿に居て、代々木はすぐ近くなので、改めてちゃんと観に行くにしても、とりあえずちょっとだけでも観ておこうと思って行った。
そういう状態だったので、パッと観た印象のみを書く。前に会った時に、ドイツ表現派がツボだと言っていたのだけど、展示されている作品を観て、堀さんの表現派好きを、はじめて納得できるかたちで理解できたように思えた。(堀さんが、ドイツ表現派の何を(何処を)観ていたのかが分かり、そして、それに惹かれるという感じも納得出来るように思えた。)堀さんは割と(少なくとも今までは)、膨張するようなふっくらした形態、膨張するような色彩(オレンジ系の赤や茶色や黄緑)を描くことを得意としていたのだと思うけど、今回の展示では、木の枝や葉のような、細かったり小さかったりして、形態だけでなく、それよりもむしろ、形態のない部分(空の部分)との関係が重要であるような、削がれたような形態を描いた絵(「樹間」)や、くすんだ寒色の、鉱物的な質をもつ絵の具によって描かれた絵(「光合成」)が面白かった。堀さんは以前から、木を描いたシリーズを制作しているし、石のような質感で、くすんだ寒色の絵も描いてはいるけど、そのどちらもが、ちょっと今までとは違ったところにまで突き抜けた感じがした。
●堀由樹子展「あたたかい土」は、代々木のギャラリー千空間で、五月十六日まで。水、木は休み。