●じめじめした蒸し暑い日がつづいているけど、長引く梅雨の中休みで、最近では雨があまり多くは降らないせいか、近所に咲いている日向の紫陽花の多くが、干涸びた感じになって、その色の、独特の「涼しげ」な感じを失ってしまっている。日陰にある紫陽花は、まだまだ冴え冴えとした色を保ってはいるけど。そういえば、ちょっと前に皇居まで観に行った、伊藤若冲の「紫陽花双鶏図」に描かれた紫陽花の深くて冴えた涼しげな色彩が強く印象に残っている。若冲の描く紫陽花の色は、本物の紫陽花と実際に並べて比べてみたとしたら、かなり違う色(紫というより濃紺のような色)だと思うのだけど、画面のなかでは(画面全体として見ると)、紫陽花の色から感じられる「涼しげで冴えた」感じを、凄く的確に現しているように感じた。