●最近、見る夢が面白すぎる。面白すぎるので、目が覚めると軽くがっかりする。
今朝見た夢は、割合と物語的な一貫性があった。いろいろな幽霊が出ることを逆に「売り」にしている温泉旅館に何泊か宿泊する夢。一部屋につき一種類というのではなく、いろんな幽霊がいっぺんにどっと出て来る。それを大勢の客たちと一緒に見るという感じ。部屋のなかから出てきたり、建物の脇にある川から出て来たりで、そこここからわき出してくる。それぞれの幽霊にはそれぞれにことなる姿をしていて、時代がかった姿のものもいれば、半人半獣みたいなのもいる。それぞれにことなった由来の「怨念」のようなものがあり、それにもとづいて一人一人の客に絡んでくる。そして幽霊たちと一緒に、ぐだぐだでぐしゃぐしゃな宴会がはじまる。幽霊は、何故か、タバコの煙を吹きかけると消えてしまうという設定になっている。だが、稀にタパコの煙くらいでは消えない念の深い奴もいて、そういうのに絡まれるとけっこう苦労する。
その宿では、何かの勉強会のようなものが客たちによって毎晩ひらかれており、決まった時間になると、老若男女さまざまな客が、別棟にある大広間のような部屋にあつまる。風呂上がりだったり、軽く酔っているような感じの浴衣姿の人もいて、場はリラックスしたもので、勉強会というより、何かしらのエピソードをお互いに言い合う世代を超えた雑談会のような感じだ。しかしそこには、明確なテーマはあるらしかった(忘れたけど)。
その宿のもう一つの「売り」は、明け方のある時間になると、宿の前に珍しい鳥があつまってくることだった。基本形はダチョウなのだが、孔雀のように派手な羽をもち、その羽のつき方や形、色や柄が様々で、一羽ごとに違っていて、鳥が羽をひろげるたびに、格子窓ごしに気配を殺して外を見ている客たち(鳥を見るために早朝からその場所にあつまっているらしい)から、あくまで静かに押さえた調子で「おおーっ」という息のような声がもれる。次から次へとあらわれる鳥の、視覚的な多様性がとても面白かった。しかし、バリエーションのネタが尽きてくると、上半身が人間で下半身が鳥という人面鳥みたいのが出て来たりして、その羽の模様が人の服装を思わせていたりして、我ながら(自分の夢ながら)、夢のなかで、「それはちょっと」と思うのだった。