●食事をしながら眠くていつの間にかうとうとと眠りこんでしまっていて、いけない、つい寝てしまった、という思いと共にはっと目を覚ましたら、食事中に寝てしまったというのは夢だったらしくて布団のなかにいた。でも、「食事中なのに寝てしまっていた」というのは夢というより目覚める瞬間の判断だから、「食事をしていた夢」の時間が目覚めの前にあったのではなく、「食事中だった」という判断だけが夢で、その夢は目覚めの瞬間に瞬時に差し込まれたものだ。もしかしたら全然別の夢を見ていたかもしれないのに、目覚めの瞬間にその過去は書き換えられた。夢の経験(記憶)としても「食事の時間」はないのに、食事をしていたという確信だけがあり、その確信とともに目覚めた。あるいは、食事の経験は時間の外、世界の外にあり、そこから「ここ」に差し込まれた。