●分厚い。自立する。というか、ハードカバーの本は大抵自立するのか…。
●この本の翻訳が出るのか。
書店様用チラシ:
— 水声社の倉庫番 (@suiseishasouko) 2023年1月13日
★3月上旬発売予定
『ポストメディウム時代の芸術』(ロザリンド・クラウス=著) pic.twitter.com/sGp0unpXuS
もちろん、読みたいし、読むつもりだが、それにしても、インターネットでリアルタイムに情報が入ってきて、外国語ができなくてもDeepLで翻訳すれば大まかには何が書いてあるか分かってしまう時代に、クラウスが八十年代から九十年代にかけて書いた著書が、二十年から三十年以上も遅れて、ここ五年くらいの間にようやくポツポツと日本語で読めるようになる(『オリジナリティと反復』は九十年代に翻訳が出ていたが、古本が高騰しすぎていて実質上読めなかった)という、恐るべき遅延がここにはあるのだが、こうなったら、遅れを取り戻すための「お勉強」としてではなく、この遅延それ自体をポジティブな意味のあるものと捉え、さまざまな遅さと速さとの折り重なりによって成り立っている「今・ここ」において読む方がいいだろうと思う。要するに、美術批評史的な文脈など気にしないで今の自分の関心に沿わせて勝手に読む、と。ポストモダンも既に終わった現在、(モダニズムに対するカウンターとしてあからさまにポストモダン的である)クラウス(あるいはオクトーバー派)のテキストが今読んでも面白いと思えるポテンシャルを持つかどうかは分からないが。
(下の写真、『反美学 ポストモダンの諸相』もどこかにあるはずだが見つからなかった。)