⚫︎ジェーン・バーキンは1984年に、ドワイヨンの『ラ・ピラート』とリヴェットの『地に堕ちた愛』という二本の映画に出ている。この一年で、俳優としての一生分以上の仕事をした、と言えるのではないか。
(『ラ・ピラート』はDVDを持っているが)『地に堕ちた愛』をなんとかもう一度観られないものだろうか。90年代にVHSで何度か観たことがあるが(中古のVHSソフトが一万五千円くらいに高騰している)、多分、四半世紀以上観返せていない。劇作家と俳優が、屋敷に閉じこもって劇を完成させるという話だったはずで、『ザ・ミソジニー』を観ている時もこの映画のことを思い出していた。
『ラ・ピラート』は本当に驚くべきすごい作品。去年の12月にも改めて観ていた。
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⚫︎ジェーン・バーキンの最後の出演作であると思われる『彼女とTGV』がAmazonビデオにあったので観た。30分の短編。Wikipediaには、批評家から絶賛され、2017年のアカデミー賞最優秀実写短編映画賞などにノミネートされたと書かれているが、普通に「いい話」というくらいの感じ。深夜に何気なくつけたテレビで、たまたまこのドラマに出会ったとしたら、「おお、なんかすごくいいものを観た」と嬉しくなる、みたいな作品。素晴らしい傑作とかいうようなものではないが、ジェーン・バーキンの最後の出演作品のラストカットが、彼女の満面の笑みのカットだというのはとてもよかったのではないかと思った(そこでちょっと泣きそうになった)。