2024/05/07

⚫︎お知らせ。約八年半ぶりの展示を、OGU MAGで行います。

タイトルは「bilocation/dislocation」。

期間は、6月6日から16日まで。月曜から水曜日は休廊で、木曜から日曜日に開いています。

前回、吉祥寺の百年で展示した「人体/動き/キャクター」シリーズの発展形となる作品と、「文房具絵画」のシリーズを展示する予定です。

この展示は、連続講座や本の出版と連動していて、いぬのせなか座と、Dr.Holiday Laboratoryの共催で行われます。

(会場では小説集『セザンヌの犬』の先行販売も行います。)

⚫︎以下、ステイトメントです。

「bilocation/dislocation」

1.

遠くにある近いものと、小さくて大きなもの

※これは撞着語法ではなく、次に挙げる可能な16パターンの中から選ばれた字義通りの意味を持つ。

(上の文には、下の16の可能性が―「地」として―内包されている。)

遠くにある遠いものと、小さくて小さなもの

遠くにある遠いものと、大きくて大きいもの

遠くにある遠いものと、小さくて大きなもの

遠くにある遠いものと、大きくて小さなもの

近くにある近いものと、小さくて小さなもの

近くにある近いものと、大きくて大きいもの

近くにある近いものと、小さくて大きなもの

近くにある近いものと、大きくて小さなもの

遠くにある近いものと、小さくて小さいもの

遠くにある近いものと、大きくて大きなもの

遠くにある近いものと、小さくて大きなもの

遠くにある近いものと、大きくて小さなもの

近くにある遠いものと、小さくて小さなもの

近くにある遠いものと、大きくて大きいもの

近くにある遠いものと、小さくて大きなもの

近くにある遠いものと、大きくて小さなもの

2.

色や形は、それ自身の固有のキャラクターを持つ

組み合わされた「色と形」、組み合わされた《組み合わされた「色と形」》は、それ自身の固有のキャラクターを持つ

3.

そこにあるもの(たとえば人の動き)を、ここ(紙の上)に移動させる

紙の面積はたいていオリジナルの人物のスケールより小さいが、「動き」そのものに大小はあるのか

たくさんの「動き」を集めて組み立て、どこにもなかった動きを作る

作ったものをコピーして組み立て直して、どこにもなかった動きを作る

コピーしたものを大きくしたり小さくしたりする(大きくしても別に「動き」は大きくならない)

大きくしたものと小さくしたものを組み合わせて、どこにもなかった動きを作る

そうして作ったものを手で描き写したり切り刻んだりして組み立て直し、どこにもなかった動きを作る

そうして作ったものを切り開いたり折りたたんだりする

切り開いたり折りたたんだりしたものを組み立てて、どこにもなかった動きを作る

そうして作ったものを、コピーしたり、手で描き写したりする

(イメージを操作しようとしているのではなく、イメージの器となるもの、スケール感や距離感、つまり時空間のありようそのものを組み立て直そうとしている)

4.

二次元のものを三次元上で操作する(切ったり、貼ったり、裏返したり、ひねったり、折り曲げたりする)ことは、二次元のものを二次元上で操作する(描く)こととはかなり違う。三次元のものを三次元上で操作することと、三次元のものを四次元上で操作することと同じくらい違う(アナロジー)。

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