2024-08-04

⚫︎今年もTIFがあり、「スナックうめ子」が存続したことには感謝したい。一昨年までは、TIFの期間中、三日間毎日やっていたのが、去年から最終日の一回のみになった。去年はそれでも、たっぷり三時間超やっていたのに、今年は二時間半にも満たない時間だった。時間が短くなったためか、今年は段取りがきちんとしていて、いつもの、ダラダラした進行や出入り自由のガチャガチャした感じがなくなってしまった。去年まで常連だった人が何人もいなくなった。そして、今年が最後だという人もちらほらいる。ゼロ年代後半くらいから始まった日本の地下アイドルのムーブメントが静かに収束しつつあるのを感じる。それでも、元アイドリング!!!のプロデューサーだった神原孝がTIFの重要なポジションにいる限りは、「スナックうめ子」は縮小しながらも続いてはくれるだろう。

(去年までは「スナックうめ子」の時間が一年で最も幸福な時間だと言えたが、今年は色々寂しい感じてそうとまでは言えなくなった。)

(吉田豪後藤まりこと結婚したという事実もまた、地下アイドル時代の終わりを告げているようにも感じられる。)

⚫︎GEOに、ヴェンダースの『リスボン物語』のDVDが置いてあって、そういえばこれは観てなかったと思って借りてきたのだが、30分くらい観て再生を止めてしまった。94年の作品なので、もしかするとこの時期ならまだいけているかもと一縷の望みを抱いたがダメだった、『夢の涯てまでも』を最後の輝きとして、ヴェンダースはすっかり輝きを失ってしまったのだなあと改めて認識した(『夢の涯てまでも』のロングバージョンにはまだヴェンダースの輝きが残っていた)。何が違ってしまったのか分からないのだが、決定的に面白いと感じられなくなってしまった。『ベルリン・天使の詩』があんなに素晴らしかったのに、その続編である『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース ! 』が衝撃的なくらい面白くなくて文字通り衝撃を受けた。それ以降のヴェンダースを面白いと感じられた試しがない(『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』がギリで例外か)。これはぼく自身の体調の影響もあるが、2001年に公開された『ミリオンダラー・ベイビー』を観た時は、2時間の映画のうち1時間20分くらい寝ていたという覚えがある。映画館であんなにぐっすり眠ったのは後にも先にもその時だけだ。『PERFECT DAYS』は観たいとも思えない。