●しなければならないことがあって、最近ずっと部屋に引きこもっているのだけど、買い物のために外へ出ると、外は本当に良い陽気で、家々の庭の木々や、お稲荷さんの祠の脇に生えている木の葉の緑などが、風でゆらゆらと揺れているのを眺めているだけで、頭の芯がとろけるような、少しの間だけ重力がなくなったのではないかというような浮ついた感覚に満たされる。今くらいから梅雨にはいる前までの短い期間が、一年のなかでもっとも気持ちのよい陽気の季節で、この貴重な時期は出来るだけ外へ出て徘徊したいのだけど、部屋にこもることが必要な用事があって、なかなか(気持ちも含めて)屋外へと向かえない。でも、なるべく用事を外へ持ち出して、喫茶店をはしごして用事をこなしながらでも、無理矢理に外へ出歩かなければもったいないと思った。