●ある映画について書く必要ができて、確か、新宿のツタヤにビデオが一本あったはずだと思って、出かけようとしたところ、ツタヤの会員カードがあるべきところにないことに気付き、あれっと思って、シャツやズボンのポケットを探ってみたり、カバンをひっくりかえしてみたりしても見つからず、なにげなく置きっぱなしにしそうなところとか、積んである本と本の間とかを探してもなくて、えー、なんでだよ、とイライラして、もう、部屋じゅうひっくり返すような感じになり、それでも見つからないので、これはどこか外で落としたとしか考えられないので、仕方なく、近所のツタヤで再発行してもらおうと出かけたら、再発行料二百円で、拍子抜けするほどあっけなく再発行されて、部屋じゅうひっくり返していたあの時間と労力とイライラは何だったんだ、はじめから再発行してもらえばよかったのに、と思うのだが、それにしても最近、家賃を振り込むための振込カードをなくしたこともあり(ぼくは財布とかカード入れとかもってなくて、お金もカードもポケットに直に入れておくので、それがいけないのだけど、いままではそれで何かをなくしたりしたことはなかった)、ちょっとどこかぼけてるんじゃないのかと思いつつ、その足で駅まで歩いて電車に乗って新宿まで行った。
割と急ぎの用事でもあり、もしレンタル中だったらその足で他のツタヤをまわって探さないといけないと思っていたのだが、たった一本だけあるビデオはちゃんとあって、ついでに新作を何本か一緒に借りて、ジュンク堂紀伊国屋もぶらっとのぞこうかとも思ったのだけど、お金を使ってしまいそうなのでやめて、そのまますぐに電車で引き返して帰って来ると、目的のビデオが確保出来たことで安心して、もう今日一日の仕事はすっかり終わった気分になってしまっているのだった。