●暑かった。ここ二、三日どうも調子が良くなくてずっと頭が濁ったような感じだったのだけど、ここまで暑いと逆に、尻を叩かれているみたいになって、多少はシャキッとなった、ような気がする。
●『時間の正体』(郡司ペギオ幸夫)。152ページからいきなり分からなくなる。この二、三日ずっと、152ページと153ページにある図を眺めて考え込んでいる。ここまで(151ページまで)はちゃんと理解できていると思う。マクタガートの、時間のA系列とB系列という話を、順序集合、束、というような数学的な概念と操作を使って組み立て直し、さらに詳細に検証してゆくという流れがここまであって、それはそれで相当ハードではあるけど、数学的な概念や操作についてちゃんと説明がされているので、なんとかしがみつくようにして、考え考えのろのろ進むことで、議論についてゆくことができた。しかし、151ページの最後の二行でいきなり「対象」とか「射」という操作が出てきて、その操作について何の説明もないま、すごく複雑な図が示される。152ページにある図5-9と、その前の147ページにある図5-8がどう繋がっているのが、いくら眺めて考えても分からない。
ネットで、「対象 射」で検索したら、「圏論」と出て、「圏論って、そりゃあいきなり言われても分からないはずだ」と思う。このまま眺めていても分かりそうにないので、いったん離脱して、圏論についてちょっと勉強してから戻ってくるほうがいいのだろうか。しかし、「ちょっと勉強して」分かるものなのか。
●『げんしけん二代目』の第一話。OPで誰もいないげんしけんの部室が写っているのを見て、ぐっときてちょっと泣きそうになって、「えっ、自分はこんなにげんしけんが好きだったのか…」と知って驚いた。原作はまったく読んだことないけど。
特に期待していたわけではなく、「あー、またげんしけんやるのか」くらいの感じで観たのだけど、オープニングの時点で既に引き込まれて、今期で一番「楽しみ」なアニメとなった。とにかく、「げんしけん」を観ている間はすべてのことを忘れて幸福だ、というくらい良かった。
荻上さんや朽木くんがこんなにも成長したのを観て、まるで親であるかのようににやにやする。いや、朽木くんはまったく成長していないのだけど、最初、たんなるネタ的なキャラみたいに登場したのに、こんなにまでも作品の構造の深くに食い込んできて、今やなくてはならないキャラにまで成ったという意味で、すごく成長したと言える。「げんしけん」のなによりのすばらしさは、朽木くんのような人の存在が許されているということだ。スーがレギュラーになったというのもすばらしい。
●『猫物語(白)』第一話。順当な滑り出しという感じ。物語シリーズは、『偽物語』がどれもまったく面白くなかったのだけど、『猫物語(黒)』でまた盛り返してきて、その盛り返しの勢いはここでも持続しているように感じられた。でも、考えてみれば、「物語シリーズ」で面白いのは、「つばさキャット」や「猫物語(黒)」や、そしてこの「猫物語(白)」で、つまり基本的にみんな羽川物語なのだなと思った。というか、この作品の中心にあるのは、阿良々木、羽川、忍野(+忍)、という関係で、それに戦場ヶ原がどう絡むかというくらいのところなのだろう。第一話の感じだと、「猫物語(白)」は阿良々木抜きでの、羽川、戦場ヶ原関係の話になってゆきそうで、これがどうなってゆくのか楽しみではある。『偽物語』みたいに、変な新キャラを出してきて、それとのバトルでお茶を濁すみたいな展開にはならないことを期待したい。