●昨日の夜中と、今日の午後、うちの近くではかなり久しぶりの強い雨が降った。買い物の帰りに午後の雨に降られて(傘は持っていたが買った物---紙や麻布を含む---を濡らしたくなかったので)駅近くのファミレスに避難する。八月最後の日曜のせいか、ファミレスのなかはすごい喧騒で、雨に遮られて凝集した人の話す声や言葉が空間が歪むのではないかというくらいにぐわんぐわんと濃く渦巻いていた(ぼくには、喧騒がゴッホのタッチのようにぐるぐる渦巻いているのが目に見えた---気がした)。こちらに引っ越してきてこんなに人の密度を感じたのははじめてだった。この辺りにもこんなに人がいたのか、と。しかし強く降っている時間は短く、すぐに小降りになる。二度の雨のおかげでずいぶん過ごしやすくなる。過ごしやすくなったとたんに眠くなる。帰って、頭のなかの硬い芯が溶けるような短い眠りを眠る。
●引っ越してからこっち一年以上、テレビは深夜アニメと科学ドキュメンタリー的な番組以外はほぼ観ていない(稀に、映画や舞台中継を観ることはあるけど)。とはいえ、最近は『げんしけん二代目』の放送を中心に一週間が配置されている。あまりテレビを観ないからこそ、『げんしけん二代目』の放送を見逃してはならないという気持ちによって、曜日の感覚が維持されている。「げんしん」を観ている間はひたすら幸福だ。原作も読んでみたいという気持ちがあるのだけど、しかし、読み始めたらきっと一気に読んでしまうので、そうではなく、あくまで一週間に一度、三十分ずつ「げんしけん」の時間がやってくるというアニメ放送のペースで、そのようなリズムの時間において、少しずつこの作品に、この登場人物たちには触れていきたいと思うので、少なくとも放送終了までは原作に手を出すことは我慢したい。いや、ぼくにとって「げんしけん」はあくまでアニメ作品ということで、原作はまだ連載中だけど、話のつづきはアニメ「げんしけん二代目2」が製作されるまで待つ、という姿勢でいるべきなのかもしれない。その『げんしけん二代目』ももう八話で、半分を過ぎてしまっている。あと四話分しか観られないのか、と思うと悲しくなってしまう。
●『ガッチャマンクラウズ』も七話まで来ていて(とはいっても放送を観はじめたのは先々週からだけど)、十二話完結のものとしてはかなりゆったりしたペースの展開にみえる。様々な事柄が埋め込まれ、配置されて、丁寧に布石が打たれていると思うのだけど、なかなか作品が走り出さないという感じがする。
(「ガッチャマンクラウズ」は、八月いっぱいは日テレオンデマンドで一話から七話まで無料配信されている。)
http://vod.ntv.co.jp/program/GATCHAMAN_Crowds/