●『エピローグ』(円城塔)を読み始めた(4章まで読んだ)のだが、すごいなこれ。こんな小説があり得るんだ。
コンセプト八割、諧謔二割くらいの小説だと思われ、ほぼコンセプト文でできている感じだけど(「読む」ということは「コンセプトを理解する/し損なう」ということだ)、そのコンセプトの密度がすごい。
(「コンセプトの密度」という言い方は、直観的、感覚的に出てきた言葉で、こういう言い方が適当かどうかは分からないが。)
解像度の高い(ようにぼくには思われる)コンセプトが、びっしりぎっしり詰め込まれている。各々の高解像度のコンセプトたちが、どのように絡んで、どのような図を描き出すのかは、まだ途中なのでわからないが(というか、図という概念に収まるのか、それはぼくに理解可能なのか、分からないが)、本文2、3ページ分くらいでワンクール12話分のアニメが一つできてしまうのではないかと思うくらいの、質と密度のあるコンセプトがつまっている。出来事、人物、感情、モノ、風景で出来ているというよりも、コンセプトと思考でできた小説で、物語の展開というよりも、コンセプトの展開、あるいはコンセプト間の関係が小説になっているという感じ。