●口のなかに発泡スチロールの粒々が湧いて出てくるという絶妙に気持ちの悪い夢を見た。最初は、二粒、三粒がいつの間にか舌に絡まっていて、それを、人目を避けてハンカチに出すみたいな感じだったのが、次第に量が増えて、口のなかでの存在感(違和感)が増してくる。すぐにぺっと吐き出したいが、人目をさけられるタイミングまで口にとどめておくしかない。石油から加工されたものの、あの特有のにおいや味も口の中にひろがる。
そのうち、粒だったものの一つ一つが風船のようにぷくーっと膨らむようになる。こうなると、口になかにとどめておくことはできず、膨らんだものから、ぽこっ、ぽこっ、と、口からとりださざるを得なくなる。口から取り出してみるとそれはまさに空気の詰まった風船だ。一つ取り出しても、またすぐに別のがぷくーっと膨らんで口のなか空間を満たす。膜状の何かが膨張して口中が圧迫される不快感と、石油化学製品の嫌なにおい。次から次へと、口のなかから膨らんだいくつも風船が出てきりがない。
そんなタイミングで、人から食事に誘われる。ごめん、今はちょっとそういう気分じゃないと答えるしかない。