2020-04-17

●「新人小説月評」の今月分の対象作は十作あるのだが、つまらないと感じた小説が一作もなかった。これははじめてのことだ。だがこれは、質の高い良作が粒ぞろいという意味ではない。成功しているにしろ、イマイチ上手くいっていないようにみえるにせよ、それぞれの作品が、それぞれ固有のやり方で、それぞれのあり様を追求することで、自らを示しているように読めた、ということだ。文芸誌は、こういう作品群が掲載されている場という意味でとても貴重なものだと改めて思った。

(それにしても、文芸誌は今後もちゃんと出続けることができるのだろうか。)

(読むのはいつも大変なのだが、各々が固有で多様なあり様をしているので今月は特に大変だったし、読み切れて---掴み切れて---いないという感じも強く残る。これら多様な作品群に対する反応を2200字にまとめるという無理ゲーを行わなければいけない…。)

●ネットでは、普段なかなか観られないレアな作品がいろいろと期間限定で配信されているのだが、それらを観ている余裕がないことがとても残念だ。せいぜい、一本30分弱のアニメくらいしか観る余裕がない(時間的にも、精神的にも)。

なんとか余裕をつくって観たいと思うし、読みたい本もあるのだが、酒を呑みながらぼんやり音楽を聴いているとか、何も考えずにゆっくり湯船につかっているとか、そういう時間を(けっこう長めに)つくらないと精神的に詰んでしまう。