2022/03/22

●地味にヤングコーンにハマっている。水溶き片栗粉でとろっとさせた野菜炒めのなかのヤングコーンの絶妙な存在感。

●榎戸耕史が演出した『永遠の時効』というテレビドラマがYouTubeにアップされているのをまたまた見つけたので観た。原作モノで、正直お話はあまりよくないと思うのだけど(暴力やトラウマにかんすることをキーワードのように軽く扱いすぎている)、ピリッとした演出で引き込まれた。

基本的に、抗争状態だったり緊張関係にあったりする、本心を隠した人たちが、対話によって互いの腹を探りながら相手を切り崩そうとする場面(上司と部下、ライバル関係にある者同士、捜査する警官と聞き込みを受ける市民、警官と被害者、警官と容疑者、警官と新聞記者…)によってドラマが進んでいく会話劇で、派手な要素はほとんどないので、こういう話は下手をすると俳優たちの演技合戦みたくなってしまいがちだが、そうならないように演技を抑制気味にして、言葉のやり取りに還元されない細かいたたずまいや仕草や表情の拾い方、空間や時間の分節としてのカット割りなどによってみせていく、端正でタイトな演出で緊張感が最後まで持続する。

物語内容はあまりおもしろくないのだが、本来無関係な二つの事件が、それを捜査する警察内部の事情によって交錯するという、物語の枠組みのつくりはおもしろいと思った。二つの事件があり、ライバル関係にある二つのチームがあり、互いに相手をよく思っていない二人の人物の競争があり、そして二者の抗争のなかから、意外な盲点として第三の人物が浮上する。

(もっとおもしろいオリジナル脚本でこういうことをやってくれないものか、と思うのだった。)