⚫︎RYOZAN PARK巣鴨で保坂和志「小説的思考塾 vol.17 with 山本浩貴」。とても充実した話だった。現場で話を聞きながらポメラでメモしたものを、説明も整理もなしでそのまま置いておきます。
山本浩貴 保坂和志
タイムラグ 30秒
「百年の孤独」 バカみたい いいんですか? 権威
・アトリエのためのメモ
人間をバラす。 ある状態に行く(芸術) 死なない(アラカワ)
環境の「束」
1/アフォーダンス 環境(のレイアウト)に心がある→反応
2.私=中心も無視できない(not環境)→ここにない 自分の中にある
周囲から把握不可能な結合関係 環境の束
連想せよ、解釈するな
・大江 文学ノート
作中人物 年表をつくる/つくらない
→アトリエ 抽象的な作業空間
人物に出る 94p 文章に含まれない何かを操作している 小説はほんとに「言葉」からできてる?
一文・一文に還元されないもの 演劇・テープレコーダーなど
→その先に「人物」がある
行為の予測可能性としての「人物」
自分にある書き方を強いてくるもの 素材 →「登場人物」
大江 言葉のあり方、伝え方を最大限に広げた きれいな文ではない
「ことば」こそが物以上に即物的かつ、具体的なもの
→ゲルマント公爵夫人の笑顔
言語表現→身体に対する指示書
正月とは全身の毛を剃ることです(樫村晴香)
自分がなにをするのか予想できないものとして、自分をつくる
監視されている 意味がとれる 意味ではないもの(意味がない、のではない)
人間の形をしていると、ついそっちに引っ張られる
大江の方法→大江の占有物ではない
作品 実験例 技術
引き受けるために検討する 作家単位になってしまう その必然性
個々の作品の善し悪しではない
単体として完結している→ほどいていく 死なないにつながる
「個人的な問題」
自分が独力で考えたわけではない
先陣がいる 助けを借りて、協力する ロシアフォルマリスム
結末を考えずに書く
「個人的な体験」ハッピーエンド 作品としての善し悪しに還元されない
→自分が今後どう生きるか
この日、こういう状態(環境)であった自分がこのように書いた
→次の日、別様にある自分が、そのように書いた
(即興の塗り重ね)
・日記と重力
174p (誰かの)猫についての日記 俺も書いた・他人も書いた 遠いところで何かが重なる
行為の総体 残響・コーリング
多元宇宙 無限の距離 離れた場所→同じ計算がなされている宇宙
すごく遠いところに自分がある 切れては重なる
→「死なない」
しかしこれでは解決しない
→考えつづける、やりつづける
ごく若い時点でヴィジョンがある
→世界認識のモデル 五歳 大江 も(フランス)
(「大霊界」丹波哲郎 死んだらどうなる)←これは二人の発言とは関係ない(ぼくが連想して書いただけ)
「これ」じゃない人生を生きてる「俺」がいる 会っても分からない
→文芸評論家は考えていない(「宇宙」を考えない)
大江、吉本は「宇宙」を考えている
大江 隕石 ふつうにSF バグっている
疑似私小説 特別な人 息子(絶対間違わない・正しいことを言う)
→一族 村の中心 卑小な平均的な人間に過ぎぬ自分? なにものでもない?
自分は特別な人間である(特別な人間としての責任・自負)
吉本 日本の物理学において自分は必要だが、日本の詩歌において自分はもっと必要だ
→優秀な人は「自負」をもつ
「特別な存在」であることについて
→「いぬのせなか座」以降の自負について
自分で本を出せばいい ??? ではダメ
なぜか自分はできてしまう 他の人はできない
→自分はやるべきなのではないか?
(頭のなかに)一挙に全部ある 最果タヒ
短歌 美学 戦争 死(大江) だらしなく変わる ・ますの 改悪する
→書ききる 言い切る 抵抗する
連作 歌集 量が増える(書きまくる) 小説化する
詞書き だらしなくする
短歌 Twitterと相性がよい
短歌的美学が戦争において若者を死に導いた
→先導しようとする(駆り立てる)言葉ではない
「この一首が残ればいい」ではなく、「こっち側」が問題
福島に骨を拾いにいく 沖縄にいく
ダンス バンド 「自分でやる」 受け手ではない
70年代 特別な人以外、みんな受け手
あなたも作り手、みんな作り手 ? も問題
自分で社会との接点をつくる 既成の出版に絶望(あきらめる)
既成のもの(出版)で、外側(形)を決定されたくない
→自分でやるしかない
作品と同時に「言説」をごそっと出す
作品そのもの、よりも、それをどう「使う」か。
作品そのものが重要 それについての言葉はない→ 偏見を温存することになる
文章を書いていくことを自分にとってポジティブなものとしていく
自分の作品について語らない 評価されるだけ
→責任を果たしていない
・大江 書き直す(凝縮・重ねる) ・小島 書き流す(書き直さない)
→地続き
解釈すると自分のサイズになる
書かない自分も十分にありえる 意欲がなくなれば書かない 意欲があればやる
「死なないために」という問いが強いる「圧」を背負う
いつでも死に得るという可能性がある その可能性を引き受ける 重要
ここであなたを殴ることができる(殴らないが…)
カンバセーションピースまで 「文学ノート」