2024/07/09

⚫︎全然気づいてなかったが、『新宿野戦病院』で、泌尿器科・性病科の医師の役をやっている人は、堀禎一の『妄想少女オタク系』(2007年)や『憐』(2008年)に高校生の役で出ていた馬場徹だ。びっくりした。『憐』から16年(30歳代半ばくらい ? )。かなり感じが変わっているが、そう言われてみれば面影がある。

⚫︎『新宿野戦病院』の小池栄子は、まさに(本来の意味での・ノージック的な)リバタリアニズムを体現するような人物で、それはとて力強く、人を元気にさせもするのだが(そしてそれが日本の現状への強い批判にもなるが)、しかし、それだけでは足りない、それによって解決されないことがあまりにも多すぎるということが現代の大きな問題であり、この点について、小池に対するカウンターの力として橋本愛が存在する(喫緊の命の危機は救う、あとはそれぞれが勝手にすればいい、では済まない、持続的な生へのサポートが必要)。この力のバランスがこのドラマの批評性であって、ここで小池栄子ばかりが前に出てくるようになると、その方がわかりやすいし、ドラマとして受けも良いのだろうが、それはとても危険なことというか、そうなると単に俗っぽいありふれたドラマにしかならない(そうなる危険はある)。

橋本愛の人物像を、どのように、どの程度、膨らませられるのかがかなり重要だと思う。