2024-09-21

⚫︎美術家としては、最近、洋服に興味を惹かれてきている。ファッションやモード的なものではまったくなく、布を使った、最もミニマムな「建築」としての洋服、というイメージ。とはいえ、服飾にかんする知識も技術もまるでなく、たとえば、これから、一からソーイングの勉強を始めることをイメージすると、気が遠くなってしまう。そもそも手先がひどく不器用で、子供の頃から、図画は得意だったが工作は全然ダメで、プラモデルすらまともに作れたことがない。

誰かに協力してもらう、あるいはコラボレーションする、ということも考えられるが、お金になる当てのないことに人を巻き込むのには躊躇があるし無理がある。絵を描くことや、文章を書くことがいいのは、お金になる当てもなく、発表の当てもなく、そもそも完成の当て(完成のイメージ)すらなくても、(頓挫しても他者に迷惑かけることないので)自分一人で勝手に、気楽にはじめることができてしまうというところで、今までそのようにして、あまりにも気ままに、自分勝手にやってきてしまったので、計画を立ててプロジェクトを進行させるような能力が皆無だ。

不定形でつかみどころのないイメージから始めて、実際にものを触って、手を動かしてみないと、何も思いつかないし、何も考えられないので、作品にかんして「事前に計画する」ということができない。さすがに、計画も、具体的イメージもないまま、人に、ちょっと手伝ってもらえないかなあ、とは言えない。

妄想で終わってしまう可能性も高いが、自分にも接触可能な入り口はないだろうかと、頭の隅に常にある感じ。

ともかくも「ミシンを買ってしまう」という形で自分に圧をかけるという手もあるが、まだそこまでイメージ=欲望が具体化し切ってはいない感じだ。自分がイメージしている「ミニマムな建築としての服のようなもの」が、本当に「服」という形なのか、まだ今ひとつ確信がない。ただ「洋服」から強い刺激を受けるていることは間違いない。

(あくまでも美術作品としての洋服で、ちゃんとした服、人が来て外を歩けるようなものを考えているのではない。)