●引っ越しで本をすべて出してみてはじめて気づいたのだが、本棚のうちの二つが、背面の羽目板の一部が(おそらく去年の地震のために)完全にはずれてしまっていた。そのまま運んできたのだけど、これにまた本を積めるのはやや不安なので、構造を補強する器具をホームセンターに買いに行くことにした。一番近くのホームセンターまでは歩いて片道一時間弱。車ならすぐという距離なのだけど(駅までも歩いて一時間弱、市役所までも歩いて一時間弱、そういう場所だ)。
近くを流れる川を下流方向へ歩いて団地を通り抜け(紫陽花がきれいに咲いている、しかし紫陽花は花より葉の勢いに目がいく)、それよりすこし大きな川に合流すると、またすぐにもう一本の川が反対方向から合流する。桜並木がずっとつづく川沿いを南へと下ってゆく。この桜並木は、高校の時にチャリンコで毎日通っていた道だ。今は知らないが昔は桜の木には毛虫が多く、自転車で走っているとよく上から毛虫が落下してきた。地面には自転車につぶされた死骸も多くあった(今日はなかった)。ホームセンターは、以前は国鉄の貨物駅(貨物倉庫)のあった場所(今でもそれは半分残っている)にある。子供の頃、定年後の祖父が再就職でここで働いていた(今、目の前の机には、祖父が水槽の金魚に餌をやっている後ろ姿の写真があり、89.10.1と日付がある、引っ越しの時に出てきた、この頃にはもう祖父は働いてはいない)。ホームセンターは直線距離で海まで数百メートルの位置にあり、見えないけど、南から吹いてくる風には少し潮のにおいが混じっている。
帰り道、スウェットスーツで小脇にサーフボードを抱えてチャリンコに乗っているお兄ちゃんに追い抜かれた。五月のような天気だ。
●五月に撮った写真。その二。
●そして、今日の机の上。