●お知らせ。「群像」八月号に、四作目(厳密に言えば五作目)になる短編小説、「グリーンスリーブス・レッドシューズ」が、「新潮」八月号に、磯崎憲一郎『往古来今』の書評(「罠と監視と恩寵」)が、掲載されています。
小説は、「姉と妹」の話であり「父と娘」の話であり「獣たち」の話でもあるというようなものです。前作の「セザンヌの犬」くらいから、小説と言えるような文になってきているのではないかという手ごたえのようなものはあります。たぶん、ぼくの小説は(最初のものを除いて)二人称的な関係の間から世界がたちあがってゆくようなものになっているのだと思います。書き出しは、≪姉は、あの男が過去につき合ったすべての女性たちがそうであったのと同様に帽子屋で働いていた≫。
書評も、面白く書けているのではないかと思っています。
グリーンスリーブス
http://www.youtube.com/watch?v=hnMhvyh3TDg
http://www.youtube.com/watch?v=Sp3e-e_Gi9M
http://www.youtube.com/watch?v=t1cd69sUDYk
レッドシューズ
http://www.youtube.com/watch?v=-NEltzPF-Z0
http://www.youtube.com/watch?v=2tS5GcKifBA
●『苦役列車』(山下敦弘)をDVDで。うーん、これはイマイチだった。どこが悪いというより、微妙にいろいろ噛み合っていない感じ。観ている間ずっと、もうちょっと違うやり方、もうちょっと上手いやり方があるんじゃないだろうかと、ということを考えていた。そいうい意味で、こちらの考えが常に刺激されていたわけで、まったく退屈な作品ということではなかった。もしかしたらこの映画は(脚本を書いた)いまおかしんじが監督した方がよかったのではないかという気もした(いくつかの場面は、とても「いまおかしんじ」的な場面だと思った)。あと、前田敦子はあき竹城に似てると思った。
●『Free!』第一話を観た。これはさすがにすごく良くできていると思った。演出も、作画も、キャラの設定や舞台装置も色彩も、それらいちいちが、さすがの京都アニメーションという感じ。とはいえ、この作品は、すげー、面白そー、と前のめりになる感じではない。面白いと言うより、へぇー、と感心して観てしまう感じ。
●DVDで『蟲師』を五話まで観たのだけど、すごく好みの感じだった。ぼくには『惡の華』よりこっちの方がいい。