●お知らせ。8月25日の東京新聞、夕刊に、東京国立近代美術館でやっている「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」についての美術評が掲載されます。
●メモ。AI関連の三つの記事。
"仕事消滅"が理解できない人の3つの誤算(PRESIDENT Online)
http://president.jp/articles/-/22887?page=3
《実際に起きてきたことは正確には「正社員の仕事をコンピューターが覚え、そのことによって正社員の仕事が大量に減って、非正規社員の仕事ばかりが増えてきた」という現象である。》
《実はこれが、日本企業が終身雇用や年功序列をやめた最大の原因である。1980年代、企業の中に正社員の仕事が100あったとすると、2010年代にはそれが30ぐらいになり、70の仕事は非正規社員でこなせるようになった。だから昭和の時代にあれほどあった課長のポストが今はなくなり、大企業は役職定年やリストラなどで社員の数を減らすことにやっきになっているのだ。》
《「人工知能の将棋なんて、単なるプログラムだ」と言われ「弱過ぎて相手にならない」と言われていた時期から数年で、人間の最高峰の棋士が相手にならないと言われる時代が来てしまった。そうなった最大の理由が、人工知能が深層学習(ディープラーニング)できるようになったためだ。》
人工知能のほうがロボット技術よりも先にブレークスルーを起こした。頭のほうが手足よりも先に人間を超えそうなのだ。このことが意味することはこれから15年の間に「頭脳労働が先に消滅し、肉体労働だけが残る時代が来る」ということだ。》
《ここが知識階層にとっての最大の誤算である。つい5年前までは「近未来では簡単な仕事はどんどん機械に置き換わるようになる。生き残るためには頭を使うクリエイティブな仕事につくべきだ」と言われていたのに、今やそのクリエイティブな仕事のほうが先に人工知能に置き換わり消滅しようとしている。》
●天才プログラマーが予測する「AIが導く未来」(東洋経済ONLINE)
http://toyokeizai.net/articles/-/185678
《マシンラーニングっていうのは、統計的に最適な答えを見つけるのが主な目的です。たとえるなら乗換案内やカーナビ。あれはどの経路が一番短いかという最適化問題です。でもディープラーニングにとって、最適化はあんまり意味がない。》
《いちばんの特徴は、コンピュータがこれまで持てなかったセンスや感覚が生まれたということです。》
《文脈も分かるけれど、本質的にはそこじゃない。「なんとなく」が分かる、って言えばいいでしょうか。たとえばある生き物をみて、猫かもしれないし、犬かもしれない、さあどっち?という識別ができるのです。》
《いろいろあるんだけど、人事業務へのインパクトが大きいと思う。「この人はなんとなくパワハラしそう」「入社1カ月で辞めそう」というのがあらかじめ分かるから。》
《やり手の仲人おばさんが無理やり男女をくっつける、みたいな機能はさすがに難しいけれど、仲人おばさんが持っているセンスをディープラーニングが学習することはできる。》
《だからマッチングの精度を高めるために、人間が自分の情報をAIに包み隠さず見せる必要が出てくる。自分を偽らず、すべてをAIに明らかにすることではじめて、ぴったり合う選択肢が見つかるのだから。》
●コンピュータがこの10年で迎える限界の正体(東洋経済ONLINE)
http://toyokeizai.net/articles/-/185506
《今のコンピュータというものが、あと10年で限界が来るということです。》
《集積密度を上げるには回路線幅を狭くするのですが、これ以上狭くできないという事態がこれから10年で確実に起こります。このままでは、コンピュータの進化が止まる。だから研究者が今、いちばん関心があるのは、「ムーアの後をどうするんだ?」ということ。》
《ひとつは、量子コンピュータです。技術的にはすばらしくて、量子シミュレーション(複雑な量子の現象をモデル化してシミュレーションすること)に使うだけでもすごく有用。なので、確かにやるべきです。ただ、量子コンピュータが今のコンピュータに代わるぐらい汎用化する、なんて言う人がいますが、それは技術が分かっていないなあ、と私は思ってしまう。なぜなら量子シミュレーション以外の用途が、まだ確立されていないから。》
《ひとつの例がニューロモーフィック・コンピュータ、脳型コンピュータと呼ばれるものです。》
《今まで物理というのは、還元主義でやってきました。ある事象を要素に細分化し、その要素がどう作用しているかでその事象を理解しようという考え方です。その一方で、還元主義ではなくて事象全体を観察することによって将来を予測しようという考え方があります。》
《こちらの考え方に立っているのが、現在のAIの中心である機械学習、もっと言うとディープラーニングです。観察して学習すれば、還元主義的なアプローチより計算量が大幅に減るかもしれないからです。データから演繹するということですね。脳型コンピュータというのは、こちらのアプローチに合ったハードウエアなのです。》