2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

●昨日、「サイエンスゼロ」で記憶のメカニズムの話をやっていた。 マウスを「まるい部屋」に入れてその空間を記憶させ、それとはまったく別の場所で電流を流して「恐怖」の経験をさせる。この二つの別の記憶を神経細胞レベルで関連させてやる(二つの記憶を無…

●パースの定義では、「記号」とは、何か(対象・記号表現)が、誰か(解釈項)にとって、別の何か(記号内容)を意味する、というものだ。そして、生物は皆、物理的過程のなかに存在するのと同時に、記号的過程のなかに棲む。例えばユクスキュルの描くダニ。ダニは…

●もう一度改めてケンダル・ウォルトン「フィクションを怖がる」(『分析美学基本論文集』)を読んだ。じっくり読むとつっこみどころもあるし、ちょっと疑問を感じるとこもあるけど、でも、とても面白い。 あと、ウォルトンの議論は、ウィニコットの議論との親…

●来週、国際交流基金が主催する「テクノロジーとフィクション」に関するプロジェクトの一環kの、海外からの留学生に向けたレクチャーをするのだけど、そのために、生まれてはじめてパワーポイントを使って資料をつくっている。海外からの留学生に向けてのパ…

●そもそも、論理的な知は人間的なものではなかった。論理は、ウイルスのように外側からやってきて人間に寄生し、人間を利用して発展し、いまや宿主を支配するまでに力をつけてしまった。論理は人間にとってどこまでも外部(他者)であるが、しかし、それを切り…

●single stroke structure 8点。一枚の四角い平面(紙)だけを使い、連続性を保ったまま(切り離しはしないで)、ちぎって、ねじって、糊付けしてつくったもの。

●メディウムという根拠に頼らずにフィクションについて考えなくてはならないのだろう。 ●近代芸術はその基盤としてメディウムスペシフィックという概念をもつ。メディウムの自己言及と自己批判、自律的境界画定は、絵画に限らず、彫刻、小説、映画、写真など…

●『分析美学基本論文集』に収録されている「フィクションを怖がる」(ケンダル・ウォルトン)を読んでみたのだが、これはとても面白かった。「ホラー映画を怖がる」という時、そこで起こっていることは何なのか、についての分析。恐怖という感覚についてではな…

●以下、与太話。 宇宙には最初は、そして長い間、物理的存在しかなかった。ずいぶん時間が経って、そこに生物が生まれた。生物とは、象徴的な記号を介して物理的世界とやり取りをする存在と言える。つまり、物理に次いで象徴が生まれた。生物(象徴)は進化し…

●祖母の四十九日の法要があった。 祖母は、医者から「覚悟して下さい」と言われてから約二か月生きたのだが、もう食事が摂れる状態ではなかったので、水分だけで二か月生きた(ベッドの脇には、その日に摂った水分の量の記録が置かれていた)。そのためもあっ…

●single stroke structure 8点。一枚の平面だけを使い、連続性を保ったまま(切り離しはしないで)、ちぎって、ねじって、糊付けしてつくったもの。

●『SFを実現する』(田中浩也)にとてもおもしろいことが書いてあったので、メモとして引用する。 《私たちの細胞のなかには、実は3Dプリンタと似た機能がもともと備わっています。遺伝情報が書き込まれたDNAの塩基配列は、4種類の記号の組み合わせ、すなわち2…

●昨日の日記の最後の方に書いたことは、ウィニコットについて考えていることに影響されている。ウィニコットは、遊ぶことや夢を見ることと、妄想することやマスターベーションすることとを分けている。欲望や快楽が強く作用し過ぎると、そこへの固着が生じて…

●12日のアートトレイスギャラリーでのイベントに映画監督の鎮西尚一さんが来てくださって、黒川幸則さんという映画監督を紹介して下さった。そこで黒川さんが最近作った『VILLAGE ON THE VILLAGE』という映画のDVDをいただいた。脚本が、Core Of Bells の山…

●single stroke structure 13点。一枚の平面だけを使い、連続性を保ったまま(切り離しはしないで)、ちぎって、ねじって、糊付けしてつくったもの。

●アメリカで重力波の検出に成功したということなので、以前「サイエンスゼロ」で重力波望遠鏡KAGRAが紹介された回の録画を観直していた (この時点ではまだノーベル賞を受賞していなかった梶田隆章さんが出ている)。放送は一昨年の11月。番組では、前半に、ア…

●今、がっつり読んでいる余裕がないので、手っ取り早くズルをして(様子見として)『有限性の後で』の「訳者解説」だけを読んでみた。なるほどと思うところも(「事実の絶対化」から「矛盾律の肯定」が導かれるところとか、すげえな、と)、えーっ、それ成り立つ…

●有原友一、高木秀典展のトーク。個人的にはいろいろ反省するところが多い感じになってしまった。作家の制作話を聞いて、適宜つっこんだりする軽い感じを想定して、あまり準備などもせずに臨んだので、「絵画」とか「絵画性」みたいな大きな話に対応できなか…

●お知らせ。2月12日づけ、東京新聞夕刊に、国立近代美術館でやっている恩地孝四郎展のレビューが掲載されます。 ●single stroke structure 5点。一枚の平面だけを使い、連続性を保ったまま(切り離しはしないで)、ちぎって、ねじって、糊付けしてつくった。

●お知らせ。両国のART TRACE galleryで開催中の、有原友一展、高木秀典展に関するトークイベント「有原友一と高木秀典の作品を巡って」に参加します。12日(金)の19時からです。作家お二人の他、永瀬恭一さん、境澤邦泰さん、水野亮さんが参加されるというこ…

●『淡島百景』(志村貴子)1巻を読んだ。『放浪息子』も『青い花』も読んでいないのだけど、この人すごい作家だなあと思った。長く持続する伝統ある場所(この作品の場合は歌劇学校)を舞台にして、符牒となる出来事によって幾つもの時間が響き合うような話、と…

●クローズアップ現代が興味深かった。ファイナンスとテクノロジーを掛け合わせてフィンテック。IT業界が銀行の権力を揺るがすのか、と。 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3766.html http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3766_all.html …

●single stroke structure 15点。一枚の平面だけを使い、連続性を保ったまま(切り離しはしないで)、ちぎって、ねじって、糊付けしてつくった。

●エリー・デューリングの「プロセスから操作へ」という短いテキストの翻訳がウェブにあがっていた。この「プロトタイプ」という概念はなかなか掴み難くい、難しい概念だけど、理解の助けになるような感じ。 http://ryoheiito.tumblr.com/post/119016761518 …

●あらゆるものは考える。思考はどこにでもある。人間だけが考えるのではないし、生物だけが考えるのでもなく、ある程度持続する、あるいは反復する環境、構造化されたシステムがあるところには、どこにでも思考がある。そして、思考と思考は混じり合い、相互…

●一月に撮った写真、その二。

●竹橋の恩地孝四郎、すばらしかった。「日本近代美術」にこのような作家が存在したということはぼくにとって希望だ。両国、アートトレイスギャラリーの有原友一、高木秀典も、たいへんおもしろかった。 ●一月に撮った写真、その一。

●昨日の日記に書いたワイアードの記事を読んでいて、カーツワイルのことを思い出した。カーツワイルの言うシンギュラリティとは、人類が生まれてから現在までの間に「地球上で生まれたすべての人」が考えたことのすべてを、1000ドル程度で買える一台のパソコ…

●コンピュータの囲碁ソフトが、15年10月に現欧州チャンピョンを破ったという記事がワイアードにあがっていた。五局やってすべて勝った、と。グーグルが2014年に買収したディープマインドという会社がつくった「AlphaGo」というソフトだという。 (「囲碁の謎…