●昨日、曜日を間違えたので改めて下北沢へ。スズナリの脇の道に入って、住宅街をちょっと歩いたところ。で、今年の十一月か十二月に、下北沢の現代ハイツ(http://www.gendaiheights.fc2.com/)で個展をすることになった。
併設されているカフェで打ち合わせをしていると、カフェのお客さんから、あれっ、古谷くんじゃない、と声をかけられた。一瞬、誰だか分からなかった。
「ずいぶん久しぶりだねえ」「そうですね、十年以上ですかね」「古谷くん、いくつになったの」「四十三です」「そのくらいだよね、あの頃まだ、古谷くん二十代だったんじゃない」
唐突に耳に届いた「二十代」という言葉が、妙に恥ずかしかった。普段は、自分が二十代だったことなど忘れているのに、何の心の準備もなく無防備な状態でそれを思い出させられた、突きつけられた、という感触。
「何年か前に渋谷で古谷くんそっくりの酔っぱらいを見かけたけど、あれ、古谷くんじゃないよね」「いや、渋谷では酔っぱらってないと思いますけど」「こーんな感じで、電信柱にしがみついてたけど」「それは、確実に違います」
最近は木炭で人の顔ばっかり描いてるよ、とその人は言っていた。カフェにも、その作品が展示されてあった。
●普段、ほとんど八王子にひきこもって生活しているけど、外に出ると、誰かしら人に会うものなんだな、と思った、この三日間だった。
最近、つくづく自分は中途半端だなあと思う。いくつかの全然違うことを同時にやることで何とか生活しているわけだけど、だいたいぼくは、一つのことに集中するとそれ以外のことにまったく気が行かなくなってしまうので、複数のことを同時にしなければならなくなると、頭がフリーズしてその「一つ」も滞ってしまう。で、益々外に出る余裕がなくなってしまうのだが(事務的なメールの返事とかさえも書けなくなってしまう)、そういう時は、時間的に無理があっても外へ出てみた方が「滞り」がほどかれることに繋がるものなのかも、と思った。
とはいえ、この三日間ほっつき歩いたので、月末まで一週間くらいは集中して引きこもらなくてはならないけど。