2023/01/13

●『水星の魔女』。実質13話の12話。「えーっ」という感想。予想していなかったというより、望んでいなかった展開。ここまでやってしまうと、今まで積み上げてきた物語の構築をすべて台無しにしてしまうのではないか。このあと、一体どういう展開を考えているのだろう。

途中で、母親のヤバさが全面に出てきて、この母親はやっぱヤベー奴だとゾクゾクしていたのだが、だからといって、娘を一気にそこまで押しやってしまうのはどうなのか。確かに、これまでの展開でも「母親に洗脳されているヤバい感じ」はちょこちょこ出ていたが、スレッタが、あまりに急激に、魔女(≒ニュータイプ)というより「怪物」になってしまった。

(あと、パターナリステックな「父」たちが死に始めていて、そんなにあっけなく死んじゃうの、みたいな戸惑いもあった。)

一方に母親に洗脳されているヤバい感じがあって、しか他方に、ミリオネなど学校の友人たちとの関係によってまともな感じで成長していくという側面があって、その危ういバランスの押し引きが今後も続くのかと思っていたら、(多くの場合に肯定的に受け取られる)素直でまっすぐで一途なキャラのネガティブな側面(極端な方向へと一気に振れてしまう)が全面に出てきた。

これが、単に観客の感情を波立たせてアテンションを集めようというだけの安易で極端な鬱展開でないのだとしたら(そうであって欲しいが)、この物語がどこに向かっていて、何をしようとしているのか、すっかり分からなくなってしまった。