⚫︎VECTIONの本が今年中に出るための一つ目の締め切りとして、6月初旬までに原稿が完成する、というのがあり、その最初のハードルはなんとか達成できそうな感じになってきた。おそらくあと二週間くらいで、一旦我々の手を離れて版元に委ねられる。引き続き、さまざまな打ち合わせや最終チェックなどが残っているが、原稿にかんしてはひとまず完成となる。
(今年の年末に「紙」とか「インク」とかを調達できるのかという不安はある。)
この本は10年間のVECTIONの活動のまとめであり、基本的には今まで書いてきたテキストが集められるのだが、そこにかなりの量の「補足」がつく。この補足の部分を作るにあたって、大幅にAIとの協働を行っている。AIとどのように協働しているのかは、本を手に取って確かめて欲しい。
おそらくこの本は「通読」が困難なな本で、筆者たちとしても、この本のすべてを読んでくれる人はいないのではないかと思っている。だからこそ気軽に、興味があったり、読めそうだったりするところだけを拾って読んでもらえれば…、という感じだ。
⚫︎この本は、現代の技術によって可能になるガバナンスのための制度について考える本で、制度について考えることがそのまま「思想」であるというような本だろうと思う。我々の思想の主なところを列挙すると、(1)「PS3(Pain, Security, Scalability, Sustainability)」、(2)C(Conditions・条件)・G(Goals・目的)・M(Mechanisms・制度)の積算評価の必要性、つまり、ガバナンスについて考えるときこれら三つは「一揃い」あってはじめて評価の対象になるということ、一つゼロなら全部ゼロとする、(3)人の「裁量」に依存しない、(4)「議論」をしない、ということになるだろうか。これだけではなんのことだかわからないと思うが。
この中でも特に重要なのは「PS3」の「Pain」で「苦痛の最小化」だ。我々は、理念・理想・正義・信仰などよりも「苦痛の最小化」を上位に置く(たとえば「革命のために犠牲は必要」という考えを拒否する、「責任」という概念をできるだけ軽くする(これは「権力の分散化」と密接)、など)。組織の制度設計において「なぜかわからないが(言語化・意識化できないが)とにかく嫌だ」という感情がまずは重視される(ただし我々は「持続可能である最大値」を目指しているので、無制限に重視されるわけではない、ゆえに「最小化」だ、「苦痛」を可能な限り減らした上でフェアに配分することを目指す)。
⚫︎どんなに素晴らしい技術でも、人間は大体「(想定を超えて)最悪の使い方」をする。そして、人が運営する制度は必ず腐敗する。だからこの本では「どのようにチートを防ぐか」というところがかなり大きな関心となる。この本は主に、(1)言葉を持たずパフォーマンスも出来ない者の指向(嗜好)を可能な限り集団的意思決定に反映させるにはどうすればよいのか(「議論をしない」は、ここにかかわる)、(2)どのようにチートを防ぐか、について考えている本と言えるのかも。
(これはあくまでぼく個人の見解で、VECTIONとしての統一見解ではないです。)
⚫︎VECTIONの思想をビジュアルで表現すると、これです。よわよわアナーキズム。
