2023-01-01から1年間の記事一覧

2023/11/01

⚫︎さらにもう少し「一筆書きで描かれた顔」。

2023/10/31

⚫︎久々に「一筆書きで描かれた顔」を描いた。 何が問題にされているのかというと、「顔」というゲシュタルト(あるいは「顔」というフィギュール)が崩壊寸前のギリギリのところで保たれている領域、つまり「顔であるのか顔でないのかギリギリのところで顔であ…

2023/10/30

⚫︎さらに、『心が叫びたがってるんだ。』についてもうちょっとだけ。 ⚫︎成瀬はなぜ上演に間に合わなければならないのか。ミュージカルの制作と上演準備、そしてお城の廃墟での坂上との対話によって、既に成瀬の「呪い」は解かれている。それでも、彼女が上演…

2023/10/29

⚫︎『心が叫びたがってるんだ。』についてもう少し。 ⚫︎成瀬にとって王子様は「くさい」。子供時代の成瀬は卵の王子に向かって「おならみたいなにおいがする」と言うし、成長した成瀬は坂上に「時々わきがくさい」と言う。そもそも成瀬自身、無理に言葉を話そ…

2023/10/28

⚫︎『心が叫びたがってるんだ。』をU-NEXTで観た。超平和バスターズ(岡田麿里・長井龍雪・田中将賀)には苦手意識があったが『空の青さを知る人よ』がとても良かったので観てみたが、これも素晴らしかった。岡田麿里の脚本は精神分析的な傾向が強いのだが、こ…

2023/10/27

⚫︎紙の本はとても優れた記録・読み取り媒体だと思うが、大きな欠点が二つあって、(1)場所をとる、(2)検索効率が低い(必要な時に必要な本が見つからない)。きちんと整理して本を置ける広い書庫のようなスペースが作れればいいのだが、そんなことはとても無理…

2023/10/26

⚫︎近所に「K」のような形で道が交差する四叉路があって、その尖った「<」の部分の先端が、余りのようにほんの少しだけ空き地になって、土が露呈していて、小さな木が二本生えている。住宅街でおおかた舗装もされている中で、そこだけ唐突なように土があって…

2023/10/25

⚫︎ただの思いつきで、これ以上の考察も何もないのだが、村上春樹の「パン屋再襲撃」を、歴史を辿ってきちんとやり直そうとしているのが押井守の『立喰師列伝』なのではないか(立喰師は金を払わないでメシを食う)。それが面白いかどうかはまた別の話だが。

2023/10/24

⚫︎(一昨日からつづく)「土の中の彼女の小さな犬」の核となる出来事で、《若い女》がとる行動はとても奇妙で、すんなりとは受け入れ難い。八歳の頃から八年間共に暮らしたマルチーズが死んだ時、彼女が、その棺となる木の箱のなかに、彼女自身が貯めていた三…

2023/10/23

⚫︎(ちょっと昨日のつづき)「午後の最後の芝生」は、今(小説が発表されたのは1982年)から、十四、五年前の、ジム・モリスンが「ライト・マイ・ファイヤー」を唄っていたり(1967年)、ポール・マッカートニーが「ロング・アンド・ワインディング・ロード」を唄…

2023/10/22

⚫︎日本(語)の現代小説に出会ったのは多分1983年(16歳の年)で、その前年(1982年)に出版された『「雨の木」を聴く女たち』(大江健三郎)、『千年の愉楽』(中上健次)、『羊をめぐる冒険』(村上春樹)を読んで、妙な言い方だが、今まで自分が知っていた世界とは全…

2023/10/21

⚫︎永瀬恭一さんがぼくの作品について批評を書いてくれました。 worldend-critic.com 自分の作品について書かれた批評について自分でコメントするのはどうかと思うので多くは語りませんが、《single stroke structure》シリーズは、酒に酔った状態で作ってい…

2023/10/20

⚫︎『空の青さを知る人よ』の姉(あかね)と妹(あおい)の関係をみていて、『すずめの戸締まり』のおばさん(たまき)とすずめの関係を思い出した。あかねもたまきも、あおいやすずめに対して母の代理であり、「代理」であるが故に、過剰に完璧な母であろうとして…

2023/10/19

⚫︎『空の青さを知る人よ』についてもう少し。両親を亡くした二人だけの姉妹の幼い妹は、常に姉にくっついていて、姉と姉の恋人の関係を傍らから見ている(ここで、バンドの練習にマネージャーのように付き添い「おにぎり」を作って差し入れする、姉と恋人との…

2023/10/18

⚫︎『空の青さを知る人よ』をU-NEXTで観た。なんとなく観たのだけど素晴らしかった。途中から、ほとんどずっと半泣きみたい感じだった。岡田麿里+長井龍雪+田中将賀の作品は、「あのはな」がどうしても受け入れ難いので避けてきたが、これは素晴らしかった。…

2023/10/17

⚫︎漁港。 ⚫︎海水浴場 ⚫︎浜。

2023/10/16

⚫︎YouTubeで、期間限定公開(10/13~11/16)の関田育子『波旬』を観た(しかし、こういう動画でもYouTubeは途中でぶった斬って広告を入れてくるのだ)。 関田育子『波旬』※期間限定公開(10/13〜11/16) - YouTube ⚫︎ほぼ三つの空間で成り立っていると思われる。部…

2023/10/15

⚫︎三鷹SCOOLで、連続講座「面とはどんなアトリエか ?」special (第四回)「シネマの再創造」報告会。 https://scool.jp/event/20231015/ 七里圭による「シネマの再創造・リブート」(早稲田小劇場どらま館)の報告会(を含む会)だが、ぼくはそれを観ていない。た…

2023/10/14

⚫︎昨日の日記で、七里圭と高橋洋との間にある、類似しつつも相違している要素として、母と娘という主題、プロジェクションという技法、の二つを挙げたが、それに加えて、映画と演劇との共存という要素もあると気づいた。要素は重なっているが、その在り方が…

2023/10/13

⚫︎『サロメの娘 アナザサイド (in progress)』(七里圭)をU-NEXTで観た。 ⚫︎七里圭における母と娘と、高橋洋における母と娘の違い、七里圭の紗幕へのプロジェクションと、高橋洋の壁へのプロジェクションの違いについて、時間をかけて考える必要があるかも、…

2023/10/12

⚫︎『映画としての音楽』(七里圭)をU-NEXTで。今まで、七里圭による「サロメ」のシリーズをどう受け取っていいのかよく分からなかった。なんというか、うまく観ることができない、自分の見方が何かズレていて、触れ方が分からず戸惑う、という感じ。しかし、…

2023/10/11

⚫︎涼しくなってもまだ素麺がおいしい。麺を「すする」という行為は、明らかに口唇期的な欲動を刺激する行為で、麺が唇や舌、口蓋や喉に触れ、勢いをもって擦れるとき、そして食道を降りていくときの触覚的刺激の感覚が味以上に重要で、それを性的というのは…

2023/10/10

⚫︎嘘と妄想は相容れない。たとえば、ある種の病をもつ人にとって、妄想は現実以上に決定的に現実的であろう。妄想は「現実(真実)」として、直接的に脳に刻み込まれるように書き込まれる。我々は、信じられない場面に立ち会うと、目を疑い、耳を疑うが、妄想…

2023/10/09

⚫︎「すみれにはおばけが見えた」(鴻池留衣 「すばる」2023年3月号)について、ネタバレなしで書くのは無理だが、この小説は予備知識なしで読んだ方が絶対いいと思うので、未読の人は以下を読まない方がいいです。 (間違って目に入ってしまわないために、写真…

2023/10/08

⚫︎「すみれにはおばけが見えた」(鴻池留衣 「すばる」2023年3月号所収)をようやく読んだ。これはすごい。読み終わってしばらく呆然としていた。この作品が芥川賞の候補にすらあがっていないとはどういうことなのか、と思う。芥川賞というより「このミステリ…

2023/10/07

⚫︎「私鉄系第三惑星」(長澤沙也加 『太宰治賞2021』所収)を読んだ。 この小説のトポロジーは一本の私鉄沿線上に配置されている。主人公(今年二十七歳になる女性)の、(1)実家、(2)実家を出て最初に住んだアパート、(3)現在住んでいるアパートと職場、(4)かつ…

2023/10/06

⚫︎近所のスーパーにヤクルト1000があったので一本買ってみた。こういうものは毎日続けてこそ意味があるものだろうが、とりあえずどんなものかというくらいの感じで買った。で、一口飲んで「おおおおヤクルトの味だ !!! 」となった。ヤクルトにはヤクルト以外…

2023/10/05

⚫︎以下は、検証抜き、熟考抜きの思いつきのメモです。 正義の行為が、その「正義の限界」を自覚的に享楽することに支えられる、ということがあるのではないかと、メディアでの鈴木エイトの振る舞いをみていると感じられることがある。一方で、極めて実直な社…

2023/10/04

⚫︎住んでいるところから海に向かうと途中で山に突き当たる。お椀をひっくり返して作った砂の山みたいに、平たい土地からいきなりボコッと山が始まるその山を迂回するのだが、山沿いの道を自転車ではしっていてふと、カラスの声ばかりでいつもは聞こえる蝉の…

2023/10/03

⚫︎どうでもいいような話。ホックニーには一貫して「人物」への関心があり、ポートレートを描きつづけているが、画集(「Hockney`s Pictures」)をパラパラ観ていると、時代によって関心のありようや描き方が微妙に違っているのがわかって面白い。90年代にはわ…